【ニューヨーク時事】9日のニューヨーク株式相場は、米アルミ最大手アルコアが主要企業の先陣を切って発表した決算が堅調だったことから業績への警戒感が和らぎ、優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比61.66ドル高の1万3390.51ドルと3営業日ぶりに反発して取引を終えた。
ハイテク株中心のナスダック総合指数は同14.00ポイント高の3105.81だった。
ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比2241万株減の6億7028万株。
アルコアが前日の取引終了後に発表した2012年10~12月期決算は、売上高が市場予想を上回ったほか、13年のアルミ需要についても堅調な見通しを示した。
10~12月期の企業業績については、財政問題などの影響を受けて下ぶれする懸念が高まっていたため、アルコアの決算は一定の安心感を与え、買い戻しが先行。
しかし、買いが一巡した後は様子見気分が広がり、上値の重い展開が続いた。
この日は、決算以外に「これといった材料がなかった」(準大手証券)といい、「前週に相場が大きく上昇たため、(アルコアの決算だけでは)上値を追いにくい状況」(同)。
大統領就任式までは、財政協議も進展は見込めず、「当面は業績を見ながら右往左往しそう」(同)との指摘が聞かれた。
個別銘柄では、無線通信ベンチャーのクリアワイヤが7.2%上昇。
ソフトバンクが買収する予定の米携帯電話3位スプリント・ネクステルに身売りする方針を決めていたが、衛星放送サービスのディッシュ・ネットワークから新たに買収の提案を受けた。
スプリント・ネクステルは1.5%安。