2012年10月16日火曜日
日経平均終値、8700円台回復 5営業日ぶり
16日の東京株式市場は日経平均株価が120円超値上がりし、8700円台を回復して取引を終えた。
8700円を上回るのは10月9日以来5営業日ぶり。
終値は前日より123円38銭(1.44%)高い8701円31銭。
東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)の終値は、同9.41ポイント(1.30%)高い732.40。
出来高は15億5千万株だった。
前日の欧米市場が軒並み値上がりした流れを引き継いだほか、外国為替市場が円安に傾いたことで、輸出関連株を中心に幅広い銘柄で買い注文が先行した。
小反発〔ロンドン株式〕(15日)
【ロンドン時事】週明け15日のロンドン株式市場の株価は、良好な米国の経済指標などをながめ小反発、FT100種平均株価指数は前週末終値比12.29ポイント高の5805.61で引けた。
週末に発表された9月の中国輸出額が前年同月比9.9%増と4カ月ぶりに過去最高を更新したほか、米商務省がこの日発表した9月の小売売上高も前月比1.1%増と3カ月連続で上昇、当市場もリスク回避が後退し序盤から堅調に推移した。
スペインが近く追加支援を要請するとの観測も、銀行株を買う動きにつながった。
もっともハーグリーブス・ランズダウンのキース・ボウマン氏は、「米国の経済指標が材料視されたが、なお方向感は出ていない」と指摘。
その上で、週後半に向け「(本格化している)企業決算が市場の方向性を決めることになる」との見方を示した。
個別銘柄では銀行大手のバークレイズが4.65ペンス高の236.85ペンスと上伸、医薬のグラクソ・スミスクラインも13.00ペンス高の1437.00ペンスと買われた。
半面、スペイン大手行のサンタンデールが支店網買収計画の撤回を伝えたロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は2.80ペンス安の268.10ペンスと下落した。
石油大手BPも1.90ペンス安の429.55ペンスと軟調。
欧州市場サマリー(15日)
1236GMT 12日終盤
ユーロ/ドル<EUR=> 1.2966 1.2950
ドル/円<JPY=> 78.830 78.420
ユーロ/円<EURJPY=> 102.22 101.58
<p />15日終値 前営業日終値
株 FT100 5805.61(+12.29) 5793.32
クセトラDAX 7261.25(+28.76) 7232.49
金 現物午後値決め 1736.00 1766.75
(カッコ内は先物が欧州市場の前営業日終値比、現物が前営業日終盤)
先物
3カ月物ユーロ(12月限) 99.80 (‐0.01) <FEIZ2>
独連邦債2年物(12月限) 110.67 (‐0.02) <FGBSZ2><0#FGBS:>
独連邦債5年物(12月限) 125.67 (‐0.11) <FGBMZ2><0#FGBM:>
独連邦債10年物(12月限) 141.48 (‐0.22) <FGBLZ2><0#FGBL:>
独連邦債30年物(12月限) 131.76 (‐0.82) <FGBXZ2><0#FGBX:>
<p />現物利回り
独連邦債2年物 0.054 (0.047) <DE2YT=TWEB><0#DE2YT=TWEB>
独連邦債5年物 0.522 (0.497) <DE5YT=TWEB><0#DE5YT=TWEB>
独連邦債10年物 1.479 (1.453) <DE10YT=TWEB><0#DE10YT=TWEB>
独連邦債30年物 2.330 (2.287) <DE30YT=TWEB><0#DE30YT=TWEB>
<為替> ユーロが対ドルで小幅高で推移している。
ただユーロは、スペインの全面支援要請をめぐる状況が明確になるまで、最近の取引レンジを抜ける可能性は低いとみられる。
ユーロは対ドルで一時1.2889ドルまで下げた後、ソブリン投資家や企業による買いを受け上昇に転じたという。
13日に発表された9月の中国貿易統計で黒字が拡大したことからリスク選好が高まり、豪ドルなどの資源通貨が上昇。
豪ドルは対ドルで0.1%高の1.0241米ドルとなった。
ドルは対円で上昇している。
<株式> ロンドン株式市場は反発。
銀行株が上昇を主導した。
スペインが財政支援要請に近づいているとの期待で上昇した欧州銀行株に追随した。
FT100種総合株価指数<.FTSE>は最近の狭い取引レンジ内にとどまり、独・仏の主要株価指数をアンダーパフォームした。
ノーザンランド・キャピタル・パートナーズの株式取引主任、ゼグ・ショードリー氏は「商いは非常に薄い。
強い買い意欲は見られない」と述べた。
英銀行株<.FTNMX8350>は1.3%高。
スペインが11月にも金融支援を要請する可能性があるとのニュースに支援された。
HSBC<HSBA.L>が0.9%高となったほか、バークレイズ<BARC.L>やロイズ・バンキング・グループ<LLOY.L>も高い。
半面、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)<RBS.L>は1%安。
スペインの銀行サンタンデール<SAN.MC>が12日、合意していたRBSの英国内支店取得を撤回すると発表したことが悪材料となった。
欧州株式市場はスペインが11月にもユーロ圏に対する支援申請に踏み切るとのロイターの報道を受け、反発して終了した。
FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>終値は5.03ポイント(0.46%)高の1098.36。
DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は16.03ポイント(0.65%)高の2485.12で取引を終えた。
ロイターは、複数のユーロ圏高官の話として、スペインが11月にもユーロ圏に金融支援を要請する可能性があると報道。
これを受け、ユーロ圏国債に直接エクスポージャーを抱える銀行に買いが入った。
ギリシャが今週の欧州連合(EU)首脳会議で新たな緊縮財政措置で合意する意向を示したとの報道も株価上昇の要因となった。
バーダー銀行の株式戦略部門責任者、ゲルハルト・シュワルツ氏は「欧州で建設的なムードが高まっているように見える。
市場はこれを待っていた」と述べた。
市場関係者は、この日発表の9月の米小売売上高が予想を上回る結果となったことも、相場の押し上げ要因となったとしている。
仏自動車大手ルノー<RENA.PA>は4.3%高。
同社が日産自動車<7201.T>との提携関係の強化を計画しているとのロイターの報道を受け、商いを伴って上昇した。
<ユーロ圏債券> ギリシャ国債の利回りが2011年8月以来の水準に低下した。
同国がユーロ圏を離脱するとの観測が後退した。
ユーロ圏がギリシャ債務の削減に向け新たな方策を模索するなか、2023年2月償還債の利回りは0.5%ポイント超低下した。
利回りは3月の債務再編直後の水準を下回っている。
新たな緊縮策をめぐる観測でさらに低下する可能性もある。
市場参加者は、利回り低下の背景として、ギリシャのユーロ圏離脱をも迫ったこれまでの強硬姿勢が弱まったことを示すメルケル首相らドイツ当局者の発言を挙げる。
エキゾティックスのエコノミスト、ガブリエル・スターン氏は「メルケル首相は、ギリシャは離脱すべきでないとの見方にようやくたどり着いた。
市場もそのことに気付き、向こう2─3カ月間、ギリシャの離脱はないとの期待が広がっている」と指摘。
「離脱案はあまりにも高くつくという見方に皆がようやくたどり着いた」と話した。
ギリシャの10年債利回りは55ベーシスポイント(bp)低下し17.51%。
スペイン国債やドイツ連邦債は狭いレンジでの取引となった。
スペインの金融支援要請に関する材料待ちとなった。
スペイン10年債利回りは13bp上昇し5.78%。
ムーディーズが同国の格付けを引き下げる恐れなどが重荷となっている。
ドイツ連邦債先物の清算値は15ティック下落して141.55。
[東京 16日 ロイター]
円、78円台後半〔ロンドン外為〕(15日)
【ロンドン時事】週明け15日のロンドン外国為替市場の円相場は、良好な米経済指標などもにらみ軟調、1ドル=78円台後半で推移した。
午後4時現在は78円70~80銭と、前週末午後4時(78円30~40銭)比40銭の円安・ドル高。
日本の長期信用力の低下を指摘した米格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のリポートや、米社買収を発表した携帯大手ソフトバンクによるドル資金調達の思惑を背景に、東京市場から円売り・ドル買いが優勢。
またこの日発表された9月の米小売売上高が前月比1.1%増と市場予想を上回ったことも、米国経済の回復期待につながらりドル買い材料となった。
もっとも市場では、今週相次ぎ発表される米国の経済指標や週末に開催される欧州連合(EU)首脳会議をにらんで様子見姿勢も強く、円の下値も限定的だった。
一方でユーロは、スペインの追加支援要請をめぐる不透明感から上値が重く、午後に入ると再び軟調な展開に転じた。
市場からは「引き続きユーロは売りにくいものの、1ユーロ=1.30ドルの上値を抜けるには材料不足」(市場関係者)との指摘が出ていた。
ユーロの対ドル相場は午後4時現在1ユーロ=1.2930~2940ドル(前週末午後4時は1.2965~2975ドル)。
対円では同101円85~95銭(101円55~65銭)。
他の欧州通貨はポンドが1ポンド=1.6045~6055ドル(1.6080~6090ドル)、スイス・フランが1ドル=0.9335~9345フラン(0.9315~9325フラン)。
NY株、もみ合い〔米株式〕(15日午前)
【ニューヨーク時事】週明け15日午前の米株式市場は、まちまちの米経済指標を受けもみ合っている。
午前10時半現在、優良株で構成するダウ工業株30種平均は前週末終値比3.10ドル高の1万3331.95ドル、ハイテク株中心のナスダック総合指数が5.23ポイント安の3038.88。
米商務省が発表した9月の小売売上高は前月比1.1%増と4129億ドル3900万度と3カ月連続で上昇し、市場予想(ロイター調べ)の0.8%増を上回った。
自動車とガソリンを除いても0.9%増で、米株価はこれを好感し強含みで始まった。
また、8月の米企業在庫は前月比0.6%増と市場予想(0.5%増)を上回った。
ただ、ニューヨーク連邦準備銀行が発表した10月のニューヨーク州製造業景況指数がマイナス6.16と前月のマイナス10.41から改善したものの、市場予想(マイナス4.55)を下回ったことから上値を抑えているもよう。
決算では、この日発表された米金融大手シティグループの2012年7~9月期決算で純利益が前年同期比87.6%減と大幅減益だったものの、特殊要因を除く1株当たり利益は1.06ドルと市場予想(ロイター調べ)の0.96ドルを上回った。
しかし、通信株が売られ、市場の地合いを弱めている。
個別銘柄では、シティグループ(3.51%高)のほかJPモルガン・チェース(0.50%高)やバンク・オブ・アメリカ(0.77%高)など金融銘柄が堅調。
ソフトバンクによる買収で合意したスプリント・ネクステルは0.35%高と買われている。
一方で、A&Tは(1.01%安)のほか、ベライゾン・コミュニケーションズも(0.76%安)と軟調。
原油安を受け、エクソンモービルは(0.47%安)やシェブロンは(0.70%安)と下げが目立つ。
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