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2012年10月18日木曜日

<株・為替>1カ月ぶり円安水準 東証は8900円台回復


18日の東京外国為替市場は、日銀の追加緩和観測や米国の経済指標の回復などが好感され、ドルを買って円を売る動きが加速した。

対ドルの円相場は一時、79円20銭台を付け、1カ月ぶりの円安・ドル高水準。

対ユーロでも1ユーロ=103円台後半を付け、5カ月ぶりの円安・ユーロ高水準となった。

中国経済の減速に伴う輸出・生産の停滞を受け、日銀は30日の金融政策決定会合で追加緩和に踏み切るとの見方が強まっており、「海外勢を中心に緩和期待が高まって円が売られた」(みずほ銀行の福島亮一為替トレーディングチーム次長)。


欧州では16日、大手格付け会社ムーディーズがスペイン国債の格付けを据え置き、17日には10年物国債の利回りが5%台半ばまで低下(価格は上昇)。

今年4月上旬以来最低の水準となり、債務問題の好転に期待が高まり、ユーロ高が進んだ。

ただ、「市場の関心は不安国の破綻危機から、低迷している欧州の経済成長の行方に移りつつある」(バークレイズ銀行の山本雅文チーフFXストラテジスト)ことから、欧州景気の先行き次第では再びユーロが売られる可能性もある。


また、円安の流れを好感した東京株式市場では、輸出関連株などが買われ、日経平均株価の終値は前日比176円31銭高の8982円86銭と続伸。

9月27日以来3週間ぶりに8900円台を回復した。

17日発表の9月の米国の住宅着工件数が市場の想定を上回ったこともあり、「リスク資産の株が買われる条件がそろった」(三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケットストラテジスト)という。

【竹地広憲】

米の住宅着工、リーマン前水準に回復 9月・87万戸


【ワシントン=山川一基】米商務省が17日発表した9月の住宅着工件数が、リーマン・ショック前の2008年7月以来4年2カ月ぶりの高い水準となった。

米景気低迷の大きな要因だった米住宅市場が回復基調にあることを示している。

9月の住宅着工件数は年率換算(季節調整済み、速報値)で87万2千戸。

前月比では15%増、前年同月比では35%増となった。

一戸建ては前月比11%増の60万3千戸、集合住宅は25%増の26万9千戸だった。

また、先行指標となる住宅着工許可件数は前月比で12%増、前年同月比で45%増の89万4千戸。

同じく08年7月以来の高水準だ。



NYダウ終値、小幅に上昇


【ニューヨーク=畑中徹】17日のニューヨーク株式市場は、大企業で構成するダウ工業株平均は小幅に値上がりした。

終値は、前日より5.22ドル(0.04%)高い1万3557.00ドルで取引を終えた。

ハイテク株が主体のナスダック市場の総合指数は、前日より2.95ポイント(0.10%)高い3104.12と、小幅に上昇した。



円、1カ月ぶり79円台〔NY外為〕(17日午後4時)


【ニューヨーク時事】17日午後のニューヨーク外国為替市場の円相場は、約1カ月ぶりに1ドル=79円台に下落した。

円は一時79円06銭を付け、午後4時現在は78円95銭~79円05銭と、前日午後5時(78円84~94銭)比11銭の円安・ドル高。

一方、終日強含みで推移したユーロは、対ドルで一時1ユーロ=1.3140ドルと、約1カ月ぶりの高値を付けた。

同時刻現在は、対ドルで1.3120~3130ドル(前日午後5時は1.3048~3058ドル)、対円では同103円60~70銭(同102円93銭~103円03銭)。



欧州市場サマリー(17日)


1546GMT 16日終盤

ユーロ/ドル<EUR=> 1.3134 1.3052

ドル/円<JPY=> 78.730 78.860

ユーロ/円<EURJPY=> 103.40 102.97

<p />17日終値 前営業日終値

株 FT100 5910.91(+40.37) 5870.54

クセトラDAX 7394.55(+18.28) 7376.27

<p />金 現物午後値決め 1749.00 1746.50

(カッコ内は先物が欧州市場の前営業日終値比、現物が前営業日終盤)

先物

3カ月物ユーロ(12月限) 99.79 (+0.00) <FEIZ2>

独連邦債2年物(12月限) 110.57 (‐0.05) <FGBSZ2><0#FGBS:>

独連邦債5年物(12月限) 124.96 (‐0.43) <FGBMZ2><0#FGBM:>

独連邦債10年物(12月限) 139.68 (‐1.09) <FGBLZ2><0#FGBL:>

独連邦債30年物(12月限) 128.52 (‐1.98) <FGBXZ2><0#FGBX:>

<p />現物利回り

独連邦債2年物 0.104 (0.082) <DE2YT=TWEB><0#DE2YT=TWEB>

独連邦債5年物 0.650 (0.564) <DE5YT=TWEB><0#DE5YT=TWEB>

独連邦債10年物 1.641 (1.540) <DE10YT=TWEB><0#DE10YT=TWEB>

独連邦債30年物 2.491 (2.390) <DE30YT=TWEB><0#DE30YT=TWEB>

<為替> ユーロがドルと円に対して1カ月ぶり高値をつけた。

スペインが来月、財政支援を要請するとの観測が強まったほか、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、スペインの政府債格付けを「Baa3」で据え置いたことを好感した。

ユーロ/ドルは一時、9月中旬以来の高値となる1ユーロ=1.3139ドルをつけた。

<株式> ロンドン株式市場は続伸。

中国第3・四半期国内総生産(GDP)の発表を18日に控えて、リスクに敏感な商品株が買われ相場を押し上げた。

FT100種総合株価指数<.FTSE>の終値が5900を上回ったのは9月14日以来。

中国のGDP発表で、商品需要に弾みがつくとの期待から、鉱山株<.FTNMX1770>やエネルギー株 <.FTNMX0530> が上昇した。

英豪資源大手BHPビリトン<BHP.AX><BLT.L>は3.3%高。

中国の経済見通しが不透明な中でも、鉄鉱石増産を打ち出したことを好感した。

石油メジャーのBP<BP.L>は2.9%高と上げが目立った。

ロシアの石油合弁会社TNK─BP<TNBP.MM>の今後に関するニュースに期待が膨らんだ。

サクデン・ファイナンシャル・プライベート・クライアンツのトレーダー、マイク・メーソン氏は、FT100種指数が約1カ月ぶりに5900を上回って引けたことについて「5900は主要なテクニカル水準ではないが、投資家にとって心理的に重要だ。


この水準を突破したことで、心理改善に重要となる可能性がある」と分析した。

欧州株式市場は続伸し、主要株価指数は3週間ぶりの高値を付けた。

格付け機関のムーディーズが前日、スペインの格付けを「Baa3」に据え置き、投機的(ジャンク)等級に引き下げなかったことが好感され、銀行株を中心に買いが入った。

FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は3週間ぶり高値をつけ、5.48ポイント(0.49%)高の1118.62で取引を終えた。

ただ、1年ぶり高値を付けた9月中旬以降続いている上下35ポイント以内の狭いレンジでの取引から、この日も抜け出すことはできなかった。

DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>終値は21.93ポイント(0.86%)高の2569.83。

ムーディーズは、スペインがいずれは支援要請に踏み切り、それを受け欧州中央銀行(ECB)がスペイン国債の買い入れを開始するとの見通しに基づき、同国の格付けを維持。

ショレ・デュポンの首席ストラテジスト、ビンセント・グエンツィ氏は、スペインに対する支援はいつかは実施されるとの見方を示し、このため、欧州の株式に対するポジションを引き上げる必要があると述べた。


アッシュバートンの欧州株式ファンドマネジャー、リチャード・ロビンソン氏は、ユーロ圏が抱える問題が改善しつつあるとの見通しから、スペインのバンキンテル<BKT.MC>、およびイタリアのインテサ・サンパオロ<ISP.MI>を自身のポートフォリオに加えたことを明らかにしている。


この日に米商務省が発表した9月の住宅着工件数が予想を上回り、2008年7月以来の高水準となったことも、欧州株式相場の上昇要因となった。

仏食品大手ダノン<DANO.PA>は3%安。

スペインやイタリアで主力の乳製品事業が不振となったことで、第3・四半期の売上高が10%以上減少したことが嫌気された。

<ユーロ圏債券> 格付け機関のムーディーズが前日、スペインの格付けを「Baa3」に据え置いたことを受け、同国の国債利回りが4月初旬以来の水準に低下した。

スペイン10年債利回りは5.50%と、前日から32ベーシスポイント(bp)低下。

独10年債との利回り格差は約6カ月ぶりに400bpを下回る水準に縮小した。

ムーディーズがスペインの格付けを据え置いたことで、スペインの格付けが投機的(ジャンク)等級に引き下げられるとの懸念が緩和。

見通しは「ネガティブ」とされているものの、格付けが確認されたことで、18日に行われる10年債を含む最大45億ユーロのスペイン国債入札は堅調な需要を集めると見られている。

クレディ・アグリコルの債券戦略部門責任者、デビッド・キーブル氏は、「18日の入札はリトマス試験のようなものになるが、大きな問題にはならないと見ている」と述べた。

スペイン国債利回りの低下に歩調を合わせ、イタリア国債利回りも低下。

イタリア10年債利回りは4.771%と、3月以来の低水準となった。

独連邦債先物は約1ポイント安の139.75で清算した。

同先物が140を下回るのは3週間ぶりとなる。

現物市場では独10年債利回りが1.637%と、9bp上昇した。

[東京 18日 ロイター]

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