■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■今日の株式市場は、日経平均がザラ場で100円を超える下げ幅を記録するなか、急速に切り返して小幅ながら3日続伸。
日経平均は前日に11000円の大台を奪還しており、ひとまず利益確定の売りが出ることは想定の範囲でしたが、それでも11000円の大台を割り込まずに下げ渋り、急速に切り返してきたことは評価できるでしょう。
もちろん、中心になっているのは三井住友<8316>、三菱UFJ<8306>らのメガバンクの好決算による市場に漂う買い安心感ですが、下方修正が嫌気されて売りが先行した商船三井<9104>なども、後場にはプラスに転じるなど、決算をアク抜けとみてショートカバーが入った銘柄もあり、強弱の思惑が交錯するところです。
ただし、減額修正の任天堂<7974>やアドバンテスト<6857>が売られるなど、決算を素直に評価する向きもあり、いよいよ決算相場が本格化していることを感じさせられます。
明日は米国で雇用統計を見極めたいという思惑から、いったんポジションを手仕舞う向きもありそうです。
雇用統計の先行指標でもあるADPによる1月の民間部門雇用者数は19万2000人と市場予想を大幅に上回っており、過度に警戒する向きも少なくなっていますが、FRBが昨年12月に「失業率が6.5%に低下するまで金融引き締めを検討しない」と明言したことを考慮すると、やはり、2月1日に公表される1月の雇用統計は大きな焦点であると言えるでしょう。
雇用統計の失業率の数値によっては、ドルの動向に大きな影響をもたらす可能性もありますので、為替相場の変動による株式市場の動向には注意したいところです。
日本の株式市場全体を見渡せば、短期的な過熱感が広がっており、利益確定売りを誘いやすいのも事実ですが、好決算を発表した三井住友<8316>などが素直に買われるなど、決算を素直に評価しながら水準を探る動きが続きそうです。
今後も開示情報など、決算発表には十分注意しながら、次の一手を考えておきたいところです。
投資先の企業がまだ決算発表前であれば、決算発表の日時を確認するなど十分な備えをしておきましょう。
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■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■30日のニューヨーク株式市場は反落。
ADPによる1月の民間部門雇用者数の延びは19万2000人と市場予想を上回ったものの、朝方発表された昨年10-12月期の米実質国内総生産(GDP、速報値)は年率換算で前期比0.1%のマイナスに転じたことから、小幅安でスタート。
FRBがFOMC後の声明で、「悪天候やほかの一時的要因で成長がが足踏みしている」と、前月に比べてやや弱めの景気判断を示したことから、業績が景気動向に左右されやすい景気敏感株の一角が下げに転じました。
ダウ構成銘柄では、ゼネラル・エレクトリック、エクソンモービル、3Mなどが安く、シスコシステムズなども売りに押されました。
好決算と今年の業績見通しが好感されたボーイングは買いが先行する展開になりましたが、ダウは1万4000ドル台を目前に、利益を確定する売り注文が優勢となりました。
ダウ平均株価は、前日終値比44ドル安の1万3910.42ドルで取引を終了。
ナスダック総合株価指数は、11.35ポイント安の3142.31で取引を終えています。
これを受けて、東京株式市場でも売り先行の展開。
安く寄ったあとに一時上げに転じる場面もありましたが、直近の株価上昇で高値警戒感や過熱感が指摘され、利益確定売りが続きました。
また、各国株安を受けて、外国為替相場でドル安/円高が進んだことも利益確定の売りを加速させる要因となりました。
日銀の山口広秀副総裁が講演で追加緩和の可能性に言及しましたが、市場の関心が次の正副総裁人事に移るなか、反応は限定的。
しかし、このような円安一服感やアジア株の軟調さなど、上値の重さも意識されるなか、日経平均株価は後場中盤から利益確定売りをこなしつつ、旺盛な押し目買いの意欲をみせて急速に切り返す展開に。
円安の一服感などを背景に、日経平均株価一時1万1007.77円(前日比106.18円安)を付ける場面がありましたが、後場の中頃から押し目買いが入り、一気に前日終値を抜いて、日経平均株価はこの日の高値圏で引けました。
大引けの日経平均株価は、前日比24.71円高の11138.66円。
東証1部の売買高は37億4892万株、売買代金は2兆2788億円と大商い。
騰落銘柄数は値上がり838銘柄に対して、値下がり734銘柄、変わらず125銘柄でした。
■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■業種別では、連結決算で純利益33.9%増の三井住友<8316>が先導する形で三菱UFJ<8306>、みずほ<8411>、三井住友トラスト<8309>などの銀行株が上昇。
新日鐵住金<5401>、神戸製鋼所<5406>、JFE<5411>の鉄鋼株も強く、昼休み時間中に今期の業績予想を下方修正した日本郵船<9101>、商船三井<9104>などは決算のアク抜けから買い戻しが優勢に。
また、ホンダ<7267>、日野自動車<7205>、いすゞ<7202>など自動車株の一角も強く、大和証券G<8601>、野村HD<8601>などの証券業が引き締まりました。
反面、ソニー<6758>、シャープ<6753>、パナソニック<6752>などのハイテク株が売られ、業績予想を下方修正したアドバンテスト<6857>や、東エレク<8035>などの半導体関連株も値を下げました。
業績予想を下方修正した任天堂<7974>など、その他製品株も軟調に推移。
第一生命保険<8750>、NKSJHD<8630>、ソニーフィナンシャル<8729>などの保険株も安く、大林組<1802>、不動テトラ<1813>、長谷工<1808>などの建設株もさえない形に。
国際帝石<1605>などの鉱業株も下落しています。
決算銘柄では、13年3月期連結業績予想を上方修正し、期末配当増額した住金物産<9938>が値を飛ばしたほか、韓国サムスン電子と資本・業務提携を発表したワコム<6727>が堅調。
NTTドコモのTOB発表を受けたマガシーク<3060>はストップ高。
反面、決算発表を受けてタカラバイオ <4974>、スカイマーク<9204>が大幅安。
マザーズ指数は3日続落。
ナノキャリア<4571>、オンコセラピー・サイエンス<4564>など他のバイオ株への売りにもつながっています。
株とまと会員銘柄では、1月29日のインターネット会員Aで買い推奨していたショーワ<7274>が前場早々に目標株価を達成すると、後場になってさらに値を飛ばす展開。
決算先回り買いが効を奏しました。