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2012年9月12日水曜日

証券ディーラー「プロの視点」(9/12)

■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■

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欧州市場が債務問題進展期待、米国市場も追加緩和期待で買い気を強めるなか、
追加緩和効果による円高推移から、立ち上がりではひとまず反発スタートとな
った本日の株式相場ですが、場中の円安推移を追い風に指数は月間高値となる
など、膠着感を強めた週前半から一転して海外動向の進展期待とともに買い気
を強める展開となっています。


日経平均株価は急反発。
前述したように日中の円安推移とともに上値を追う動
きとなり、9月に入ってからの高値水準を更新する高値引けとなりました。

方に控える25日移動平均線(8960.57円)にはわずかに届かなかったものの、5
日移動平均線(8837.78円)をサポートとしてローソク足は大陽線とチャート良
化が見られています。


前2営業日では、立ち上がりで外部要因の変化反映後、株価指数の日中値幅も
限られるなど、膠着感を強める相場環境が続いていましたが、外部要因の進展
から日中でも円安推移の追い風が見られた本日では一気に買い気を強めてきま
した。


ただ、この買い気には、目先に控えるイベント通過後を見据えた先回り意識も
見られています。
欧州で買い材料視された「ドイツの連邦憲法裁判所が欧州安
定化メカニズム(ESM)に対して合憲性の判断」についても本日の欧州時間
帯で予定される連邦裁判所の判断を先取りした格好に。


米国市場での追加緩和期待の高まりも今晩から開催される米連邦公開市場委員
会(FOMC)で、明日米国時間帯に予定される声明発表での緩和策発動から
議長会見までを見越したものでしょう。
本日の買い気には、イベント通過後を
見据えた「先回りのリスクテイク」の意味合いがあるのではないでしょうか。


ただ、これら海外動向では実際のイベント確認後には出尽くし感を誘う可能性
もあるほか、国内要因では、FOMC声明確認後の金曜日寄り付きがメジャー
SQ算出、そして来週の月曜日が「敬老の日」の祝日休場で週末三連休となる
ため、依然としてポジションを傾け難い局面であることは間違いありません。


そこで前営業日配信版でも「イベント警戒、指数膠着で物色傾向はハイリター
ン重視に」と題していましたが、外部要因に左右され難く、値動きの軽いタイ
プとして、リスキーながらもよりハイリターンが見込める投資対象を個別視点
で取り組んでいくスタンスを推していたと思います。


前営業日引け後に配信した「仕手系・低位・バイオ関連」を対象としたテーマ
レポートの提供5銘柄はすべて上昇。
そのうち4銘柄は株価指数の上昇率を上
回りました。


金融緩和発動時にも過剰流動性相場到来の期待が恩恵となり、直近の難地合い
のなかでも短期資金を集めていたことから、リスキーながらもよりハイリター
ンが見込める投資対象は相場の強弱両面で活躍できます。
イベントを先取りす
るなど、やはりまだまだ先行きの見通し難い全体相場が続くなかでは、短期視
点で狙える需給妙味の強い投資対象を中心に取り組んでいくべきでしょう。


■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■

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昨晩の米国市場は反発。
翌営業日から開催される米連邦公開市場委員会(FO
MC)での追加緩和期待の高まりとともに買い気を強めました。


ドイツの連邦憲法裁判所が欧州安定化メカニズム(ESM)に関して予定通り
12日に判断すると伝え、欧州市場が堅調に推移したほか、米国市場でも翌営業
日から開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加緩和発動の期待感が高
まり、多くの銘柄が上昇しています。


ダウ構成銘柄では、上昇率上位にバンカメ、JPモルガンの金融、アルコア、
HP、キャタピラーなど景気敏感株が並ぶ展開。
値下がりもクラフトフーズ、
ホームデポ、シスコシステムズら6銘柄のみに限られました。


ダウ平均株価は、前営業日比69.07ドル高の13,323.36ドル。
ナスダック総合指
数は0.50ポイント高の3,104.53ポイントで取引を終えています。


為替相場では、欧州問題の進展期待や米国での追加緩和期待でユーロが上昇し
たものの、ドル円では円高基調。
東京時間早朝では、1ドル77円台後半、1ユ
ーロ99円台後半の水準で取引されました。


東京株式市場では、米国市場反発もドル円での円高推移もあって、ひとまずは
前営業日下落からの見直し買いが先行。
日経平均株価は8827円の反発スタート
に。


寄り付き後は、寄り付き前発表の経済指標や豪経済指標が良好で円安志向とな
り、戻り売りをこなしつつ、日経平均株価は直近高値を窺う動き。
高値更新を
果たすと節目8900円を回復しました。


昼休みを挟んで円安基調もやや一服、後場では伸び悩む場面もありましたが、
押し目買い意欲は高く、日経平均株価は前場高値を上抜くと高値引けとなって
います。


日経平均株価終値は、152.58円高の8,959.96円。
東証1部の売買代金は概算で
8731億円。
東証1部の売買高は概算で15億4715万株。
値上がり銘柄は1318(78
%)に対し値下がりは234(14%)、変わらずは119(7%)となりました。


■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■

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指数反発から円安推移とともに上値を伸ばすなかで、中核銘柄のなかでもトヨ
タ<7203>、ソニー<6758>、ホンダ<7267>、キヤノン<7751>ら国際優良株が好調。

日経平均株価構成比率上位のファナック<6954>、ソフトバンク<9984>、ファー
ストリテイリング<9983>なども強く、指数を押し上げています。


直近で売り込まれていたTDK<6762>もしっかり。
追加緩和期待とともにメガ
バンクの三菱UFJFG<8306>、三井住友FG<8316>、総合商社の三井物産<8
031>、三菱商事<8058>の大型株が底堅く推移しました。


売買代金上位では、思惑売買の続くシャープ<6753>が買い先行から失速。
米フ
ェイスブックの活躍で値動きの軽いネット関連のディー・エヌ・エー<2432>、
グリー<3632>なども物色が継続しています。


セクターでは、国際石油開発帝石<1605>、石油資源開発<1662>の鉱業、住友鉱
山<5713>、三井金属<5706>の非鉄、新日本製鐵<5401>、JFEホールディング
ス<5411>の鉄鋼ら素材系業種が値上がり上位に進出しました。


三菱倉庫<8301>、三井倉庫<9302>の倉庫運輸、JR東日本<9020>、JR東海<9
022>の陸運なども買われたほか、為替感応度の高いニコン<7731>、トプコン<7
732>の精密機械、任天堂<7974>のその他製品、旭硝子<5201>のガラス製品など
も続いています。


一方、業種別株価指数騰落の値下がりは日本郵船<9101>、商船三井<9104>の海
運、東京電力<9501>、中部電力<9502>の電気ガスの2業種に限られました。


個別では、積極出店姿勢が報じられたセブンアンドアイ<3382>、目標株価引き
上げのツムラ<4504>、増額の三井ハイテック<6966>、セイコー<8050>も物色さ
れています。


新興市場では、東証1部ネット関連の活躍を追い風にサイバーエージェント<4
751>、楽天<4755>、デジタルガレージ<4819>、ミクシィ<2121>、エイチーム<3
662>、モブキャスト<3664>などネット関連が好調。
中核でも値動きの軽いニュ
ーフレアテクノロジー<6256>、直近IPOのワイヤレスゲート<9419>、リブセ
ンス<6054>、バイオ関連のそーせい<4565>なども短期資金を集めました。


■■ 〜 本日の注目銘柄シューティング! 〜 ■■

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<7751>キヤノン 2,640円 前日比+66円(+2.56%)

続伸。
昨晩の米国市場上昇、場中の円安推移を好感した買いが入っている。

和圧力の見込まれるドル円では前営業日から円高水準となっているものの、ユ
ーロ上昇が追い風となり、円安メリットを享受する国際優良株ではソニー<675
8>らとともに連想買いが入った。

<6753>シャープ 209円 前日比+1円(+0.48%)

買い先行から失速。
ボーナス半減や減給拡大を柱とする人件費抑制策を発表し
ており、コスト削減策を好感した買いが先行したものの、赤字体質からの脱却
には乏しいと見た売りも出ており、売買が交錯した。
全市場の売買代金上位に
進出したものの、場中で他の中核銘柄が株価指数とともに上値を伸ばしたこと
もあり、値幅取り資金を集める同社株にとっては逆風となったようだ。

<6762>TDK 2,965円 前日比+184円(+6.62%)

急反発。
直近で調査機関からの格下げなどが伝わり、大きく売り込まれていた
こともあり、指数反発とともに見直し買いを集めたようだ。
米アップルの新製
品発表イベントを控えており、ソフトバンク<9984>ら関連銘柄の一角としても
物色を集めている。

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