為替ニュース

直近の決算発表予定

2013年8月21日水曜日

証券ディーラー「プロの視点」(8/21)

■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■注目された米国市場、アジア市場にさらなる波乱はなく、為替相場に沿った反応が確認された本日の株式相場ですが、株価指数は乱高下しているものの、ひとまずは外需関連から内需関連への資金シフトが確認されたほか、外部要因に影響を受けにくい新興市場のディーリング対象が賑わうなど、物色は比較的落ち着いています。日経平均株価は小幅反発。前場では節目13500円止まり、一旦下押しした場面も節目13300円での攻防となり、後場の持ち直しも前営業日終値近辺の節目13400円近辺で水準を探りました。ローソク足は連日の陰線となり、前営業日から上値、下値を切り下げてきたものの、長めの下ヒゲを引いています。前営業日配信版でも「外部要因では午後の取引が行われているジャカルタ市場、インド市場の推移や今晩の欧米市場の反応、そして為替相場の推移を確認していきたいところ。新興国に対する経済不安が短期的なものか、それとも中期に及ぶのかを探っていきましょう」としましたが、昨晩から今日にかけての新興国経済不安に対する反応としてはやや落ち着いてきました。日経平均株価の水準として「目先ではボリンジャーバンド−1σから−2σの価格帯が意識されるほか、本日割り込んだ26週移動平均線との位置関係が注目されます」と指摘。前営業日安値割れで下値を探るもボリンジャーバンド−2σ(13180.96円)までには至らず、高値水準も26週移動平均線(13526.80円)も乗り直しておらず、まだまだ目先では水準を探る動きが続きそうです。今晩にはFOMC議事録、明日には中国経済指標、さらにTPP交渉会合がスタート。新興国の経済不安も米国の金融刺激策の縮小観測が背景ですし、それぞれイベント結果を確認していく流れか。まだまだ相場の方向感は傾けにくいところでしょう。さて、前営業日配信版でも「新興国には不安高まるも新興市場には物色継続」と題していたように、物色傾向としては新興市場所属でディーリング対象など値動きの軽い銘柄が選好される展開を指摘していました。マザーズ市場の売買代金上位ではアドウェイズ<2489>、コロプラ<3668>が全市場の売買代金上位にも進出するなど、外部要因に左右されにくいうえ、値動きが軽く、材料性やテーマ性に着目した資金流入が確認されています。外部要因が不安で、相場の方向性が見極めにくいなかでは、東証1部市場からの資金シフトが見込まれる新興市場は比較的手掛けやすい状況でしょう。■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■昨晩の米国市場は堅調。アジア株安確認も小売り各社の決算が予想を上回ったことが買い材料視されています。米国の金融刺激策の縮小観測を背景にインドネシア市場など新興国株式が下落したものの、米国株は前営業日まで調整していたこともあり、それほど売り材料視されず。一方でベストバイなど小売業の決算が予想を上回ったことが買い材料視されました。ダウ構成銘柄では、インテル、ユナイテッドヘルス、バンカメ、ベライゾン、アルコアらが上昇。下落はホームデポ、ジョンソン&ジョンソン、GEなどが並んでいます。ダウ平均株価は、前営業日比7.75ドル安の15,002.99ドル。ナスダック総合指数は24.50ポイント高の3,613.59ポイントで取引を終えました。為替相場では、アジア株とアジア通貨の下落に対して欧州時間帯からはユーロへの資金還流を確認。ドル円相場では大きな変化はなく、東京時間帯早朝では、1ドル97円台半ば、1ユーロ130円台後半の水準で取引されています。東京株式市場では、米国市場が底堅く、為替相場でユーロ上昇が確認されるなか、東京時間帯から円安推移が確認されており、前営業日に売り込まれていた経緯から見直し買いが先行。日経平均株価は13431円の反発スタートに。寄り付き後は、戻りを試す動きが見られたものの、前営業日に注目されたインドネシア市場やインド市場などアジア各国市場に対する警戒から戻り売りが強まり、日経平均株価はマイナス圏に転換。円高推移とともに下値を探る動きとなりました。後場寄りも日経平均株価の節目13300円攻防が見られていたなか、13時半過ぎから円高が和らぐと、円安推移とともに下げ幅を縮小。14時前にはプラス圏に浮上するなど、円安推移を支援材料に切り返したものの、戻り売り圧力は根強く、前営業日終値近辺で水準を探る動きとなっています。日経平均株価終値は、27.95円高の13,424.33円。東証1部の売買代金は概算で1兆8059億円。東証1部の売買高は概算で21億226万株。値上がり銘柄は577(32%)に対し値下がりは1016(57%)、変わらずは161(9%)となりました。■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■不安定な外部要因とともに指数も乱高下。トヨタ<7203>、東芝<6502>ら国際優良株、三菱UFJFG<8306>、三井住友FG<8316>などメガバンクなど中核銘柄は軟調。日経平均株価構成比率上位のファーストリテイリング<9983>が指数浮上時に買い進まれるなど、指数の反応に一喜一憂しています。一方、内需系のKDDI<9433>、三菱地所<8802>、NTT<9432>などは底堅い動きに。いすゞ<7202>、マツダ<7261>など外需関連から資金シフトの買いが入りました。全市場の売買代金上位では、東京電力<9501>が進出。悪材料が伝わり、投げ売りに押されています。同じく悪材料の伝わったディー・エヌ・エー<2432>が売られた一方で、LINE関連のアドウェイズ<2489>、ソーシャルゲーム関連のコロプラ<3668>、3Dプリンター関連の澁谷工業<6340>が物色されました。セクターでは、日本航空<9201>、ANAホールディングス<9202>の空運、コマツ<6301>、三菱重工業<7011>の機械、テルモ<4543>、トプコン<7732>の精密機械などが業種別株価指数騰落の値上がり上位となっています。内需系の三菱地所<8802>、三井不動産<8801>の不動産、LIXIL<5938>、ノーリツ<5943>の金属製品、KDDI<9433>、ネオス<3627>の情報通信なども続きました。一方、東京電力<9501>、中部電力<9502>の電気ガス、所属全銘柄が下落した水産農林、王子ホールディングス<3861>、日本製紙<3863>の紙パルプなどが値下がり上位となっています。個別では、格上げの東邦チタニウム<5727>、大阪チタニウム<5726>、ディスコ<6146>、堀場製作所<6856>、目標株価引き上げの朝日インテック<7747>、新規カバレッジのサンリオ<8136>などが物色されました。新興市場では、全市場の売買代金上位に入ったアドウェイズ<2489>、コロプラ<3668>のほか、LINE関連のネットイヤーグループ<3622>が強く、アンジェスMG<4563>、メディア工房<3815>なども賑わっています。■■ 〜 本日の注目銘柄シューティング! 〜 ■■<9501>東京電力 557円 前日比−57円(−9.28%)大幅安。福島第一原子力発電所で汚染水を貯めていた地上タンクから300トンの汚染水が漏洩したと発表。また、原子力規制委員会は国際的な事故評価尺度(INES)のレベル1としていた暫定評価をレベル3へと引き上げる方向で、被害拡大による補償増額など先行き懸念が高まったようだ。<2432>ディー・エヌ・エー 1,968円 前日比−153円(−7.21%)急落。セガなどゲームソフト15社はスマートフォン(高機能携帯電話)向けゲームの顧客開拓で連携すると報じられており、ソーシャルゲームプラットフォーム運営の同社やグリー<3632>への逆風を懸念した売りに押された。対してセガサミーホールディングス<6460>、カプコン<9697>ら大手ソフトが買われたほか、コロプラ<3668>、enish<3667>などコンテンツメーカーも物色された。<2489>アドウェイズ 476,500円 前日比+23,500円(+5.19%)連騰。LINEがネット通販に参入すると報じられているほか、本日13時から開催されているカンファレンスにて最新の利用状況やプラットホーム戦略の成果、今後の展開について発表を行っており、関連銘柄として物色されている。同じく関連のネットイヤー<3622>も人気化、「らくらくスマホ」用に展開するNTTドコモ<9437>なども底堅く推移した。◇…

0 件のコメント:

コメントを投稿

ブログ アーカイブ