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2012年11月29日木曜日

証券ディーラー「プロの視点」(11/29)

■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■外部要因軟化で売り直された前営業日から一転して、米国株反発、円安推移と外部要因改善で買い直された本日の株式相場ですが、物色も利益確定売りの出ていた外需関連に資金が還流。
活発な資金シフトが見られたほか、値動きの軽い低位株物色も目立つなど、引き続き資金循環が効いています。

日経平均株価は反発。
朝高後は前営業日下落からの戻り売りも出ていましたが、5日移動平均線(9377.65円)に沿った押し目買いが下支えしました。
ただ、後場後半の買い気には、時間外米指数先物上昇に反応した面もあります。

前営業日の調整も高水準の取引ボリュームを指摘し、前営業日配信版でも「まだまだ参加者の物色意欲高い 資金循環の見極めを!」と題していましたが、本日は外部要因改善を確認すると押し目買いを集めました。

業種別株価指数騰落では、前営業日の値下がり最上位業種だった海運が本日では一転して値上がり最上位となり、輸送用機器や電気機器など外需関連の中核銘柄にも資金還流が見られる展開。
当欄で指摘していた「セクター間での資金シフト」を捉えて利益機会とした方も多かったのではないでしょうか。

ただ、ボリューム面では、東証1部の売買代金が大台1兆円前後と前営業日から減少。
代わって東証1部の売買高は概算で18億株台と前営業日の17億株台から増加しており、より売買単価の低い銘柄を選好する流れとなっています。

そこで当欄でも資金効率を意識した回転売買を推していましたが、100単位100円台の不動テトラ<1813>が全市場の売買代金上位に進出する活況高を演じるなど、「20万円以下」のレポートにも通じる低売買単価銘柄の存在感が高まってきました。

もちろん、前述したように、後場後半の買い気には、時間外米指数先物上昇に反応した面もあることから、外部要因の推移を見極めたいところ。
このままセクター間の資金シフト、低売買単価銘柄の資金循環を見ていきましょう。
■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■昨晩の米国市場は反発。
大統領と下院議長が財政問題の進展に楽観的な見方を示したことが買い材料視されています。

前営業日から議会再開による財政問題を警戒した売りが出ていたものの、共和党のベイナー下院議長と民主党のオバマ大統領が揃って財政問題の進展に楽観的な見方を示したことで、先行き不透明感が後退。
見直し買いを集めました。

また、米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)でも経済が「慎重なペース」で拡大していると示し、支援材料となっています。

ダウ構成銘柄の下落はシスコシステムズ、ボーイング、デュポンの3銘柄のみで、上昇率上位にはHP、シェブロン、アメックス、ファイザー、メルクなどが並びました。

ダウ平均株価は、前営業日比106.98ドル高の12,985.11ドル。
ナスダック総合指数は23.99ポイント高の2,991.78ポイントで取引を終えています。

為替相場では、米国時間帯から財政問題進展期待のドル買いを集め、ユーロ円も円売りが優勢に。
東京時間帯早朝では、1ドル82円台前半、1ユーロも106円台前半の水準で取引されました。

東京株式市場では、米国市場反発、為替相場の円安推移を好感した買いが先行。
日経平均株価は9370円の反発スタートに。

寄り付き後は、前営業日の下落からの戻り売り圧力は根強く、高寄り後は伸び悩む動き。
ただ、日経平均株価は円買い圧力の後退とともにもみあいで推移しました。

昼休みを挟んで為替相場に大きな変動はなく、日経平均株価は後場も前場とほぼ同水準でのもみあいで推移したものの、外部要因で時間外米指数先物上昇確認とともに節目9400円に乗り直しています。

日経平均株価終値は、92.53円高の9,400.88円。
東証1部の売買代金は概算で9991億円。
東証1部の売買高は概算で18億1413万株。
値上がり銘柄は1140(67%)に対し値下がりは417(24%)、変わらずは132(7%)となりました。
■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■外部要因改善とともに株価指数は反発。
円安推移好感でトヨタ<7203>、ホンダ<7267>、日産自動車<7201>、キヤノン<7751>ら国際優良株が切り返す動きに。
日経平均株価構成比率上位のソフトバンク<9984>、ファナック<6954>、ファーストリテイリング<9983>も堅調に推移しています。

三菱UFJFG<8306>、三井住友FG<8316>のメガバンク、野村ホールディングス<8604>の証券業の金融関連も買い直されたほか、三菱商事<8058>、三菱重工業<7011>の大型株、為替感応度の高いニコン<7731>、富士重工<7270>なども上昇しました。

売買代金上位では、中核銘柄を除けば、指数の反発からもみあい時にディーリング資金を集めたディー・エヌ・エー<2432>、アイフル<8515>など値動きの軽い銘柄が進出。
低位妙味の強い不動テトラ<1813>の活況高も目立っています。

セクターでは、前営業日に業種別株価指数騰落の値下がり最上位となっていた日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運が一転して値上がり最上位に進出しました。

新日鐵住金<5401>、JFEホールディングス<5411>の鉄鋼、トヨタ<7203>、日産自動車<7201>の輸送用機器、東芝<6502>、日立<6501>ら電気機器など中核業種も見直されています。

一方、業種別株価指数騰落の値下がりは、MS&AD<8725>、ソニーフィナンシャル<8729>の下落で保険業のみに限られました。

個別では、海水淡水化膜増産が報じられた東洋紡<3101>、空気中の酸素を化学反応させて電気をつくり出す「金属空気電池」の大容量化技術を開発した古河電池<6937>、格上げのシマノ<7309>、目標株価引き上げのアインファーマシーズ<9627>などが材料物色を集めています。

新興市場では、東証1部ソーシャルゲーム関連人気で中核のサイバーエージェント<4751>、楽天<4755>は底堅く推移したものの、軽量選好の流れがジェイアイエヌ<3046>、レーサム<8890>、メガネスーパー<3318>などに偏り、バイオ関連のそーせい<4565>、ナノキャリア<4571>、カイオム・バイオサイエンス<4583>からは資金が流出しました。

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