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2012年12月10日月曜日

証券ディーラー「プロの視点」(12/10)

■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■先週金曜夕刻発生の強い地震の影響も限られ、米雇用統計を確認した米国市場も順調な内容となるなど、イベント確認とともに買い先行の展開となった本日の株式相場ですが、円買い圧力やボリューム低下で株価指数が伸び悩むなど、いよいよイベント警戒のスタンスが強まってきているのではないでしょうか。

日経平均株価は小幅反発。
始値9584円を日中高値とする「寄り付き天井」となり、後場では前日比マイナス圏に沈むなど、前述の通りに伸び悩む展開となりました。
ただ、下方には5日移動平均線(9501.52円)が控えており、基調としてはまだ上向きと判断できます。

前営業日に見られた「日経平均株価における終盤での手仕舞い売り」に関して「イベント警戒のスタンスを示すもの」と紹介していましたが、前営業日に警戒されていた分、イベント確認で立ち上がりは一旦買い進まれたものの、追加材料には乏しく、伸び悩む展開となってしまいました。

前営業日配信版で「物色意欲は継続もイベント対応が問われる!」と題していたように、当欄で市場参加者の物色意欲を示す「物差し」として、高水準の取引ボリュームを挙げていましたが、本日では東証1部の売買代金が大台1兆円割れ、売買高も前営業日の20億株台から19億株台に低下しており、東京時間帯からの円買い圧力に加え、ボリューム低下も相場の重しとなったのではないでしょうか。

先週末に米雇用統計の重要イベントをひとつこなしましたが、今週には米国での金融政策決定会合でもあるFOMC、欧州で首脳会議、国内でも金曜日に日銀短観、メジャーSQ算出があるほか、週末には総選挙も行われるなど、国内外の重要イベントが集中しています。

「今後はイベント対応の流れが強まるとともに物色傾向も変わってくるでしょう」とも記していましたが、直近で買い進まれていたシャープ<6753>、三井住友建設<1821>が失速。
代わって外部要因に左右されにくい内需系、ソーシャルゲーム関連などが物色を集め、短期資金の循環が見られる新興市場は活躍銘柄が目立つなど、物色対象も少しずつ変わってきました。

本日販売締め切りの「厳選5銘柄付き市況分析レポート」にて、市況分析とともに今後のイベント対応、イベント通過後に活躍の期待されるテーマ、物色対象に対するポイントをまとめていますので、ぜひ確認してみてください。
■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■昨晩の米国市場は堅調。
注目された米雇用統計が市場予想を上回った一方で、消費指標が市場予想を下回ったものの、雇用情勢を好感した買いが支えています。

米労働省が発表した11月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比14万6000人増と市場予想の8万5000人増を上回る好内容に。
良好な雇用情勢を評価した買いが先行しました。

また、この日発表された12月のミシガン大学消費者信頼感指数が74.5ポイントと、前月の82.7ポイント、市場予想の82ポイントを下回ったことで売りが出たものの、底堅い雇用情勢を好感した買いが下支えしています。

ダウ平均株価は、前営業日比81.09ドル高の13,155.13ドル。
ナスダック総合指数は11.23ポイント安の2,978.04ポイントで取引を終えました。

為替相場では、欧州時間帯で伝わった日本の東北地方発生の地震の影響でリスク退避の円買いが見られたものの、米雇用統計を好感したドル買いが目立つ格好に。
消費指標を嫌気したドル売りが散発するも概ね円売りが見られ、週明けの東京時間帯早朝では、1ドル82円台半ば、1ユーロ106円台半ばの水準で取引されています。

東京株式市場では、イベント通過による堅調な外部要因とともに買い先行の立ち上がり。
日経平均株価は9584円の反発スタートに。

寄り付き後は、今週もFOMCやメジャーSQ、そして週末の総選挙とイベントが残っており、買い上がる向きも限られ、日経平均株価は高寄りから伸び悩む動き。
為替相場で見られた東京時間帯からの円買い圧力も重しとなりました。

昼休みを挟んでも円買い圧力が継続、前後にイベントが相次ぐなか、全体観を傾け難い局面となり、日経平均株価はマイナス圏に転じる場面があったものの、下値は拾われており、前営業日終値付近で水準を探る動きとなっています。

日経平均株価終値は、6.36円高の9,533.75円。
東証1部の売買代金は概算で9444億円。
東証1部の売買高は概算で19億4414万株。
値上がり銘柄は746(44%)に対し値下がりは784(46%)、変わらずは159(9%)となりました。
■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■株価指数の伸び悩みでトヨタ<7203>、キヤノン<7751>、ホンダ<7267>ら国際優良株、前営業日に底堅さを見せた三井住友FG<8316>、三菱UFJFG<8306>もさえず、中核銘柄は小安い動きとなっています。

一方で、内需系のディー・エヌ・エー<2432>、ファーストリテイリング<9983>、前営業日に買い進まれたNTTドコモ<9437>、NTT<9432>がしっかり。
外需関連からの資金シフトを呼び込みました。

売買代金上位では、材料物色の見られていたシャープ<6753>が買い先行から失速。
低位建設株の三井住友建設<1821>なども苦戦したほか、ソフトバンク<9984>、パナソニック<6752>、任天堂<7974>が売られた半面、受注増加観測の伝わったアドバンテスト<6857>が買い進まれるなど、材料株の間で資金循環が見られています。

セクターでは、LIXIL<5938>、三協立山<5932>の金属製品、日本水産<1332>、マルハニチロ<1334>の水産農林、三菱マテリアル<5711>、東邦亜鉛<5707>の非鉄などが業種別株価指数騰落の値上がり上位となりました。

ファーストリテイリング<9983>の小売、三井不動産<8801>、三菱地所<8802>の不動産、ディー・エヌ・エー<2432>のサービス業などが続き、内需関連の底堅さが確認されています。

一方、値下がり上位には、野村ホールディングス<8604>、大和証券<8601>の証券、任天堂<7974>擁するその他製品、東京電力<9501>、関西電力<9503>の電気ガスなど、直近上昇業種の利益確定売りが目立ちました。

個別では、減額アク抜けのSUMCO<3436>が急騰。
好業績観測の東京ドーム<9681>、決算銘柄のクックパッド<2193>、丹青社<9743>などが材料人気を集めています。

新興市場では、東証1部ソーシャルゲーム関連人気で中核のサイバーエージェント<4751>、ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>が高く、バイオ関連のジーンテクノサイエンス<4584>、総医研ホールディングス<2385>、カイオム・バイオサイエンス<4583>、ジーエヌアイ<2160>なども短期物色で上昇しました。

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