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2012年12月11日火曜日

証券ディーラー「プロの視点」(12/11)

■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■前営業日の指数伸び悩みで見られたようにイベント警戒の買い手控え、手仕舞い優勢の流れが続き、株価指数は弱含みもみあいに終始。
ボリュームも前営業日から低下してきており、よりイベント警戒のスタンスが強まってきているのではないでしょうか。

日経平均株価は小幅反落。
一旦は節目9500円を割り込む場面も見られましたが、直後にすぐさま買い直されるなど、節目意識の高さも見られました。
ただ、日中値幅は46円に限られており、全般方向感を欠いています。

当欄では、市場参加者の物色意欲を示す「物差し」として、日々の取引ボリュームを紹介してきましたが、本日では東証1部の売買代金が前営業日の9000億円台から8000億円台に、売買高も前営業日の19億株台から15億株台と低下傾向を示してきました。

やはり今晩から開かれるFOMC、欧州首脳会議に日銀短観、メジャーSQ算出と今週は重要イベントが続き、そしてポイントとなる週末の総選挙を見極めるまでは、ポジションを傾け難い状況が続くのではないでしょうか。

ただ、SQ算出週としては、本日でも節目9500円に対する攻防が見られたように、基本線ではオプション行使価格でもある9500円を軸に下方では9250円、上方では9750円をターゲットとする変動が意識されやすい状況となっています。

それでも前回のメジャーSQでは、週初に8750円を軸としつつ、週末三連休のイベント直前の金曜日の算出では9000円超の高値算出が見られたこともあり、算出水準を安易に決めつけ難いところ。
奇しくも前回メジャーSQが三日新甫で、今回のメジャーSQも三日新甫と共通点もあるだけに、一応の波乱警戒を持ち合わせておくべきでしょう。

そこで前営業日配信版でも「今こそイベント対応の投資戦略、銘柄アプローチの準備を!」と題していましたが、今は目先のイベント対応、イベント通過後に活躍の期待されるテーマ、物色対象を選別しておく局面です。

短期的には、イベント警戒のなかで行き場を無くした投資資金を取り込んでいる材料株、そしてIPO好発進で短期物色の目立つ新興銘柄が狙い目となりますが、それでも物色の継続性は不透明。
安易に大きなポジションを構築せず、イベント通過後の方向感を探るタイミングに位置付けましょう。
■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■昨晩の米国市場は小幅高。
欧州からイタリアの首相交代が伝わり、弱い立ち上がりとなったものの、堅調な中国経済指標を背景に持ち直しています。

イタリアのモンティ首相は辞任の意向を明らかにしたことで、イタリア国債が下落するなど、欧州信用問題がリスク退避を誘い、米国市場の立ち上がりは弱い動きとなりました。

ただ、欧州株式市場が持ち直すと米国市場も底堅くなり、中国の11月の工業生産と小売売上高が市場予想を上回ったことを好感した買いも加わり、堅調に推移しています。

ダウ平均株価は、前営業日比14.75ドル高の13,169.88ドル。
ナスダック総合指数は8.92ポイント高の2,986.96ポイントで取引を終えました。

為替相場では、欧州時間帯でユーロ売りが見られたものの、米国時間帯から持ち直す動き。
東京時間帯早朝では、1ドル82円台前半、1ユーロ106円台半ばの水準で取引されています。

東京株式市場では、前営業日の伸び悩みで見られるようにイベント警戒の買い手控え、手仕舞い優勢の流れが継続。
日経平均株価は9510円の小反落スタートに。

寄り付き後は、円買い圧力やイベント警戒の需給要因を背景に下値模索となり、日経平均株価は前引け前で一旦節目9500円を割り込む場面があったものの、節目意識は高く、9500円台を回復して引けました。

昼休みを挟んで後場では円買い圧力が見られず、日経平均株価は節目9500円台での推移に。
ただ、イベント警戒の買い手控えも目立ち、日中値幅は46円に限られています。

日経平均株価終値は、8.43円安の9,525.32円。
東証1部の売買代金は概算で8783億円。
東証1部の売買高は概算で15億4472万株。
値上がり銘柄は548(32%)に対し値下がりは962(56%)、変わらずは180(10%)となりました。
■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■株価指数の弱含みもみあいで、トヨタ<7203>、ホンダ<7267>、ソニー<6758>ら国際優良株や三井住友FG<8316>、三菱UFJFG<8306>のメガバンクが小安い動きとなっています。

ただ、売買代金上位では、材料人気の見られたSUMCO<3436>、シャープ<6753>ら値動きの激しい銘柄が活況高。
東証マザーズ新規上場銘柄の好発進で、ソーシャルゲーム関連のグリー<3632>、ディー・エヌ・エー<2432>、サイバーエージェント<4751>も物色を集めました。

一方、原発再稼働期待の後退で関西電力<9503>、ユーロ軟調で任天堂<7974>が材料性で振るわず、ファーストリテイリング<9983>、セブン&アイ<382>の内需関連が底堅い動きとなるなど、まちまちな反応となっています。

セクターでは、任天堂<7974>擁するその他製品が業種別株価指数騰落の値下がり最上位に。
為替感応度の高い旭硝子<5201>、日本板硝子<5202>のガラス製品や所属全銘柄の下落した海運も値下がり上位に並びました。

原発再稼働期待の後退で電力株、三菱地所<8802>、三井不動産<8801>の不動産、野村ホールディングス<8604>の証券など、金融関連もさえない動きとなっています。

一方、日本水産<1332>、マルハニチロ<1334>の水産農林が原発リスク低下で浮上。
国際石油開発帝石<1605>の鉱業、JXホールディングス<5020>の石油製品など鉱物燃料関連が業種別株価指数騰落の値上がり上位となりました。

個別では、インド販売好調のスズキ<7269>、増配のあさひ<3333>、決算銘柄の東日本ハウス<1873>らが材料物色を集めています。

新興市場では、新規上場のenish<3667>が買い気配で値付かず。
UMAファーマ<4585>は公募割れの初値形成も需給妙味で買い直される動きとなるなど、IPOの高人気でサイバーエージェント<4751>、楽天<4755>の中核やクルーズ<2138>、デジタルガレージ<4819>、ミクシィ<2121>なども好調に推移しました。

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