【編集部から】 ここへきて、来年1月で任期を迎えるバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の後任人事の記事が、欧米メディアで目につきます。豊島逸夫さんが25日のコラム「金のつぶやき」でさっそく取り上げておられました。
これまでバーナンキ議長に考え方が近いといわれる超ハト派(景気重視派)のイエレン副議長が有力と思われていたのでマーケットもそんなに気にしていませんでしたが、ワシントン・ポストなどによるとローレンス・サマーズ氏の名前が有力候補に急浮上しているそうで、様子がかわってきたというのが話のポイントです。
もちろん、人事が決まるのはまだ先の話なので、マーケットの人たちも本気で心配しているというよりは、やや強引な印象のあるサマーズ氏のキャラクターのせいで、余計に話が盛り上がっている面もあるようです。
ただ、バーナンキ議長があれこれと説明を試みてようやく市場も量的緩和(QE3)の縮小に慣れてきたかと思っていたところに出てきた後任人事の話題は、「そういえば、次が誰かにもよるな」と、注意を喚起する格好になりました。QE3の縮小は、まだ波乱含みと警戒しておいたほうがよさそうです。(マネー編集長 深田武志)