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2013年8月7日水曜日

証券ディーラー「プロの視点」(8/7)

■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■円高一服とともに見直された前営業日から一転して米国株安、円高再燃とともに大きく売り直された本日の株式相場ですが、金曜日にSQ算出を控える日経平均株価は前場で前営業日安値、後場で大台14000円攻防が見られたものの、ともに下抜けると投げ売りで下げ幅を拡大。決算銘柄の反応も伸び悩みが目立っており、換金売りも出ているのではないでしょうか。
日経平均株価は、前述の通りに大きく売り直されました。前営業日の高値引けから一転して安値引けと非常に神経質な反応となり、大台14000円近辺に位置していた75日移動平均線(13989.11円)やボリンジャーバンド−1σ(13997.73円)割れにはやや意外感があります。
さて、前営業日配信版では「指数の節目意識高い 外部要因と位置関係を注視」と題していました。
前営業日の日経平均株価は朝安からプラス圏に浮上したあと高値引け。さらにローソク足は下ヒゲ陽線と上値志向が高まる形状となっていたことから、さらなる上値追いの期待が高まっていました。
当欄でも「下方から切り上げてくる5日移動平均線や行使価格14250円レベルを下値メドに上値志向が高まるところか。ただ、ここ連日の売り買いには為替相場の推移が大きく関係しており、今晩からの推移が意識されるうえ、明日から開催される日銀金融政策決定会合など外部要因の変化。金曜日のSQ算出を控え、上値も行使価格14500円やボリンジャーバンド+1σとの位置関係が注目されていくでしょう」としましたが、昨晩の米国市場が大幅安、さらに為替相場も円高が再燃するなど、このところ不安定な外部要因の軟化とともに売り直されています。
また、SQ週特有の節目意識の高さも指摘していましたが、前場では前営業日安値や大台14000円の下値メドに対する意識から、一旦は下げ渋る動きが見られたものの、後場の円高再燃とともに前場安値、大台14000円攻防を下抜けると、下げ幅を拡大。とくにオプション行使価格レベルでもある大台14000円割れからの下げ加速は著しく、先行き懸念の見切り売りに押された格好でしょう。
ここからの下値水準としては、オプション行使価格レベルで13750円。ボリンジャーバンド−2σ(13684.24円)近辺が意識されるところ。このところは外部要因、とくに為替相場に敏感に反応しており、今晩以降の為替相場の推移。明日の場中では日銀金融政策決定会合の声明確認以降の推移を確認していきましょう。リバウンド期待で買い直された場合には、攻防が確認された大台14000円が再び意識されます。
さて、物色対象としては、これまで「値動きの見込まれる決算銘柄」を挙げていたものの、数多く開示される銘柄のなかから特定の物色対象を選んでいくのは万人向けではなく、あくまでも短期視点で有効であることを紹介していました。
本日でも全体調整の影響で決算銘柄には伸び悩む銘柄が目立ち、やや手掛けにくい印象。一旦は地合いの落ち着きが待たれる局面ですし、このまま決算シーズン一巡後を見越して、じっくりと取り組むならば、今回の決算シーズンで評価された好業績銘柄のなかから「物色の継続性」につながる評価余地を探っていきましょう。
■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■昨晩の米国市場は下落。貿易赤字縮小を確認したことで、金融当局が年内にも金融緩和を縮小するとの観測が強まり、売り優勢で推移しています。
米商務省が発表した6月の貿易収支統計によると貿易赤字が前月比で22.4%縮小し、342億ドルとなり、市場予想の435億ドルを下回る好結果に。前月も速報値の450億ドルから441億ドルに修正され、輸出増に輸入減と理想的な経済環境が確認されたことから、金融当局が年内にも金融緩和を縮小するとの観測が強まり、売り材料視されました。
ダウ構成銘柄では、値上がりがウォルト・ディズニー、ファイザー、ホームデポら6銘柄のみで、値下がり上位にはIBM、HP、ユナイテッド・テクノロジーズ、キャタピラーなど大型製造業が並んでいます。
ダウ平均株価は、前営業日比93.39ドル安の15,518.74ドル。ナスダック総合指数は27.18ポイント安の3665.77ポイントで取引を終えました。
為替相場では、米国時間帯の株価下落とともにドルが軟調。東京時間帯早朝では、1ドル97円台前半、1ユーロ129円台前半の円高水準で取引されています。
東京株式市場では、米国株安、為替相場の円高推移を嫌気した売りが先行。日経平均株価は14155円の反落スタートに。
寄り付き後は、前営業日に買い直されていたこともあり、投げ売りで指数が下値を探る展開。前営業日安値や大台14000円の下値メドに対する意識から、売り一巡後には下げ渋る動きが見られました。
ただ、昼休みを挟んでも為替相場の円高圧力は根強く、後場からは再び売り直される展開。日経平均株価は前場安値、大台14000円攻防を下抜けると、下げ幅を拡大して安値引けとなっています。
日経平均株価終値は、576.12円安の13,824.94円。東証1部の売買代金は概算で2兆1300億円。東証1部の売買高は概算で24億2251万株。値上がり銘柄は98(5%)に対し値下がりは1612(91%)、変わらずは43(2%)となりました。
■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■指数急反落でトヨタ<7203>、ソニー<6758>の国際優良株や三井住友FG<8316>、三菱UFJFG<8306>のメガバンクなど中核銘柄が総じて安く、日経平均株価構成比率上位のファーストリテイリング<9983>、ソフトバンク<9984>なども大きく売り直されています。
外需関連のなかでも値動きの軽いマツダ<7261>、富士重工業<7270>、低位金融のアイフル<8515>、オリコ<8585>、不動産関連のケネディクス<4321>などディーリング対象も軟調でした。
新興軽量級のガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>、ユナイテッド<2497>も大幅安。内需大型のNTT<9432>、KDDI<9433>なども売られています。
一方、決算評価でダイキン工業<6367>が高く、前営業日のストップ高を交えて買いが継続した新電元工業<6844>が買い進まれるなど、決算材料株に値幅取り資金が向かいました。
セクターでは、業種別株価指数騰落で全業種が下落。下落率上位には前営業日に値上がり上位に進出していた三菱地所<8802>、三井不動産<8801>の不動産が入っています。
三菱倉庫<9301>、三井倉庫<9302>の倉庫運輸、ニコン<7731>、トプコン<7732>の精密機械、ブリヂストン<5108>、横浜ゴム<5110>のゴム製品、帝人<3401>、東レ<3402>の繊維なども売られました。
一方、マルハニチロホールディングス<1334>の水産農林、昭和シェル石油<5002>、コスモ石油<5007>の石油製品らが値下がり下位に並んでいます。
決算銘柄では、日本海洋掘削<1606>、SANKYO<6417>、参天製薬<4536>らが物色されたものの、全面安商状のなか朝高から伸び悩みました。
新興市場では、全市場の売買代金上位に入ったガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>、ユナイテッド<2497>が軟調。代わってアドウェイズ<2489>、ネットイヤーグループ<3622>、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング<7774>、イメージワン<2667>らが買われたものの、物色は偏っています。
■■ 〜 本日の注目銘柄シューティング! 〜 ■■<9983>ファーストリテイリング 32,900円 前日比−2,150円(−6.13%)
急反落。前営業日後場に先物主導で買い直された経緯もあり、外部要因軟化に日経平均株価の大台14000円割れとなるなど、大きく売り直されたことから、日経平均株価構成比率上位として下げが目立っている。トヨタ<7203>、ソニー<6758>の国際優良株や三井住友FG<8316>、三菱UFJFG<8306>のメガバンクなど中核銘柄が安い。
<6367>ダイキン工業 4,455円 前日比+115円(+2.65%)
急伸。前営業日引け後に発表した第1四半期決算、第2四半期業績予想と通期業績予想の増額修正を発表した買いが入っている。輸出関連の一角と認識されているものの、外部要因軟化で中核銘柄の多くが下落するなか、決算評価に着目した同社株の上昇が目立った。
<6844>新電元工業 573円 前日比+58円(+11.26%)
独歩高。ほぼ全面安商状となるなか、5日発表の決算、増額修正を好感した買いで前営業日にストップ高となり、本日も物色が継続している。値動きの軽さも支援材料となっており、株価指標面の割安感から上値余地に着目した資金流入も確認された。

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