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2012年12月5日水曜日

証券ディーラー「プロの視点」(12/5)

■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■外部要因に進展のなかった海外市場から売りが先行したものの、中国市場浮上とともにリスク選好の流れが強まり、株価指数が切り返す動きとなった本日の株式相場ですが、このところ見られた株価指数の「上値の重さ」は相変わらず。
物色も値動きの軽い銘柄に向かっています。

日経平均株価は反発。
朝安後に節目9400円に乗り直すと中国株高、円安推移とともに買い進まれ、節目9500円に乗り直しました。
ただ、円安一服とともに同水準は固められず、結果として伸び悩んでいます。

前営業日配信版で「指数の『上値の重さ』が影響 銘柄選別のタイミング」と題し、当欄でも株価指数の「上値の重さ」を指摘していましたが、指数伸び悩みに関しては、やはり金曜日の米雇用統計、来週のFOMC、メジャーSQ、そして総選挙と重要イベントを控える点や年末特有の「節税対策売り」や海外投資家による「ポジション調整」など、12月相場特有の需給要因が作用しているのではないでしょうか。

ただ、一方で底堅さが確認されたのも市場参加者の物色意欲の高さを示すもの。
ボリューム面では、東証1部の売買代金が大台1兆円台をキープ、東証1部の売買高は前営業日の18億株台と水準を保っており、売買代金上位にも値動きの軽い銘柄が進出するなど、買い気の高さを印象付けています。

さて、指数の「上値の重さ」が見られたことで「セクター間の資金シフト」は前営業日に続いて鈍る格好。
場中に円安推移が見られたものの、中核銘柄の物色が手控えられた経緯には、金曜日の米雇用統計発表を控えて、今晩にもADP雇用統計が明らかになるなど、経済指標警戒の流れが見られました。

また、賑わい続く「低売買単価銘柄の資金循環」も材料性の加わったシャープ<6753>、富士紡ホールディングス<3104>に向かい、アイフル<8515>、戸田工業<4100>ら直近銘柄から資金がシフト。
資金循環が見られたものの、やはり先回りするのは困難でしょう。
明日には新興市場でIPOも加わり、資金循環はより早まり、より見極めにくくなります。

そこで「イベント通過後に手掛けられる投資対象を選別する局面」と位置付けていましたが、ひとまずは各イベントを確認しながら、通過後に活躍の期待されるテーマ、物色対象を探っていく状況に変わりません。
■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■昨晩の米国市場は続落。
オバマ大統領が富裕層向けの税率引き上げを主張するなど、財政問題の先行き不透明感が強まり、ポジション調整が主導しています。

共和党の提案した計画が富裕層向けの所得税率引き上げを盛り込んでいないとして、オバマ政権がこの提案の受け入れを拒否したうえ、大統領自身が富裕層向けの税率引き上げを主張するなど、財政問題の先行き不透明感が強まり、手仕舞い売りが出ました。

ダウ構成銘柄では、HP、インテル、バンカメ、ウォルマートらが買われた半面、ホームデポ、ベライゾン、シェブロン、ユナイテッドテクノロジーズ、AT&Tらが下落。
構成銘柄以外でもアップル、ゴールドマン・サックス、グーグルなど大型株が安く、株価指数を押し下げています。

ダウ平均株価は、前営業日比13.82ドル安の12,951.78ドル。
ナスダック総合指数は5.51ポイント安の2,996.69ポイントで取引を終えました。

為替相場では、前営業日東京時間帯からの緩やかな円買いが続いたことで、海外時間帯で1ドル82円の節目割れに。
東京時間帯早朝では、1ドル81円台後半、1ユーロも107円台前半の水準で取引されています。

東京株式市場では、米国市場続落や円高推移を嫌気した売りが先行。
日経平均株価は8380円の反落スタートに。

寄り付き後は、売り優勢の立ち上がりも前営業日から押し目買い意欲も継続。
朝安後は節目9400円に乗り直しており、中頃からは中国市場で来期成長性予測で強気な数値が伝わったことで同国市場が買い優勢となるなか東京市場も連れ高し、日経平均株価は前引け前に切り返しました。

昼休みを挟んで為替相場も円安に振れており、昼休みのない先物相場で上げ幅を拡大、後場寄りから買い優勢の展開。
日経平均株価は節目9500円に乗り直す場面があったものの、このところ同水準では利益確定売り圧力が確認されており、買い一巡後は伸び悩んでいます。

日経平均株価終値は、36.38円高の9,468.84円。
東証1部の売買代金は概算で1兆669億円。
東証1部の売買高は概算で18億3600万株。
値上がり銘柄は917(54%)に対し値下がりは588(34%)、変わらずは185(10%)となりました。
■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■中国株高、円安推移などを手掛かりとした株価指数反発でトヨタ<7203>、キヤノン<7751>、日産自動車<7201>ら国際優良株が朝安から買い直されたものの、買い一巡後の指数伸び悩みで売り直されており、中核銘柄は小安い着地が目立っています。

代わって、月次評価の買いが押し上げたファーストリテイリング<9983>が好調。
ソフトバンク<9984>、ファナック<6954>も底堅く、先物主導の後場浮上で日経平均株価構成比率上位が反応しました。

売買代金上位では、米クアルコムとの出資でシャープ<6753>、公募受渡期日到来で富士紡ホールディングス<3104>が高く、売り直されたアイフル<8515>、戸田工業<4100>など、値動きの軽い銘柄を選好する流れも続いています。

セクターでは、ファーストリテイリング<9983>の属する小売業が業種別株価指数騰落の値上がり最上位に。
JXホールディングス<5020>、出光興産<5019>の石油製品、富士紡ホールディングス<3104>擁する繊維製品、LIXIL<5938>、SUMCO<3436>の金属製品などが続きました。

円安推移を追い風にタムロン<7740>、HOYA<7741>の精密機械もしっかり。
コマツ<6301>、東芝機械<6104>など設備投資関連も買われています。

一方、三井不動産<8801>、三菱地所<8802>の不動産、日本製紙<3893>、レンゴー<3941>の紙パルプ、住友倉庫<9303>、三菱倉庫<9301>の倉庫運輸が値下がり上位に並びました。

個別では、格上げの愛知製鋼<5482>、ヤフー<4689>、自社株買いの大陽日酸<4091>らが材料物色を集めています。

新興市場では、中核のサイバーエージェント<4751>、バイオ関連のナノキャリア<4571>、カイオム・バイオサイエンス<4583>、そーせい<4565>、スリー・ディー・マトリックス<7777>が売られた半面、低位のジーエヌアイ<2160>、エヌ・ピー・シー<6255>、軽量級のエー・ピーカンパニー<3175>、ジェイアイエヌ<3046>、ガンホー・オンライン<3765>が堅調に推移するなど、明暗が分かれました。

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