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直近の決算発表予定

2012年11月30日金曜日

証券ディーラー「プロの視点」(11/30)

■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■前場に政府の積極的な経済対策が伝わると為替相場が円安に振れ、買い優勢の流れとなった本日の株式相場ですが、株価指数は直近高値の節目を前に足踏み。
ただ、このところの高水準のボリュームは続いており、引き続き活発な資金循環は見られています。

日経平均株価は続伸。
前述の通りに円安推移とともに26日高値9487.94円を上回る場面もありましたが、節目9500円を前に足踏み状態となりました。
ただ、日中安値9380.25円も5日移動平均線(9393.49円)が下支えした格好で、直近の押し目形成から上値志向を強めています。

前営業日の指数反発に関して「後場後半の買い気には、時間外米指数先物上昇に反応した面もあることから、外部要因の推移を見極めたいところ」とも記していましたが、米国市場の反応もほぼ大方の想定通りの上昇着地となったことで、買い先行の立ち上がりも前営業日先回り買いからの利益確定売りで失速しました。

ただ、前述の通りに国費ベースで8800億円超を支出する政府の積極的な経済対策が伝わると為替相場が円安方向に振れるなど、外部要因の後押しもあって日経平均株価は切り返す動きに。
直近高値を超え、節目9500円に迫っています。

今回の相場反転、そして本日の上伸の切っ掛けも為替相場の円安推移ですし、このまま節目奪回から上値追いの可能性も為替相場次第か。
ただ、ボリューム面では、東証1部の売買代金が大台1兆円超え、東証1部の売買高も前営業日の17億株台から23億株台に急増。
SQ日取引並みの大商いとなり、全体観の高まりや低売買単価銘柄の資金流入につながっています。

当欄では「セクター間の資金シフト」「低売買単価銘柄の資金循環」を物色対象のポイントに挙げていましたが、セクター間の資金シフトでは、円安推移を切っ掛けに為替感応度の高い精密機械、ガラス製品のほか、輸送用機器や電気機器など外需関連に資金還流が見られました。

一方の「低売買単価銘柄」では、前営業日11月29日のインターネット会員A情報で買い推奨していた佐藤渡辺<1807>がわずか1営業日で目標株価を達成するなど、前営業日の不動テトラ<1813>に続いて低位建設株に資金が循環しています。

このまま両タイプでの資金循環を見極めていきたいところですが、そろそろ物色の軸となる「先導株」の存在が求められるところ。
名実とも12月相場入りとなる来週以降は、新たな投資テーマを模索していきましょう。
■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■昨晩の米国市場は続伸。
前営業日に引き続き、財政問題の進展に楽観的な見方が強まり、堅調に推移しています。

共和党のベイナー下院議長が財政問題協議で「大きな進展はない」と述べたことで一時売り込まれる場面があったものの、民主党議員を中心に財政問題協議進展を示すコメントが聞かれたことで相場は持ち直しました。

また、米商務省が発表した第3四半期(7−9月)の実質国内総生産改定値が前期比2.7%増と、速報値の2%増から上方修正されたことも支援材料となっています。

ダウ平均株価は、前営業日比36.71ドル高の13,021.82ドル。
ナスダック総合指数は20.25ポイント高の3,012.03ポイントで取引を終えています。

為替相場では、米国市場の堅調展開でドルが底堅く、東京時間帯早朝では、1ドル82円台前半、1ユーロも106円台半ばの水準で取引されました。

東京株式市場では、米国市場続伸を好感した買いが先行。
日経平均株価は9446円の続伸スタートに。

寄り付き後は、前営業日後場に時間外米指数先物上昇を確認していたこともあり、先回り買いの利益確定売りで失速。
日経平均株価は朝高後はマイナス圏に転じたものの、国費ベースで8800億円超を支出する政府の積極的な経済対策が伝わると為替相場で円安に振れ、日経平均株価は一気に切り返す動きを見せました。

その後は順調に上値を伸ばすも昼休みの円買いで後場は若干失速気味。
日経平均株価は26日以来の高値を付けるも節目9500円目前で足踏み状態となっています。

日経平均株価終値は、45.13円高の9,446.01円。
東証1部の売買代金は概算で1兆4245億円。
東証1部の売買高は概算で23億8545万株。
値上がり銘柄は605(35%)に対し値下がりは933(55%)、変わらずは149(8%)となりました。
■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■場中の円安推移とともに株価指数が上値を目指し、トヨタ<7203>、ホンダ<7267>、日産自動車<7201>、キヤノン<7751>ら国際優良株が続伸。
為替感応度の高いキヤノン<7751>、ニコン<7731>なども堅調に推移しています。

ただ、日経平均株価は直近高値圏の節目9500円を上抜けず、日経平均株価構成比率上位のソフトバンク<9984>、ファナック<6954>は鈍い動きに。
NTT<9432>、国際石油開発帝石<1605>ら大型株もさえない動きとなりました。

売買代金上位では、堅調な値動きを見せた国際優良株のほか、火力発電システム分野統合で日立<6501>、三菱重工業<7011>が好調。
材料性の伝わった戸田工業<4100>、ディー・エヌ・エー<2432>と同業のグリー<3632>なども資金を集めています。

セクターでは、ニコン<7731>、タムロン<7740>の精密機械が業種別株価指数騰落の値上がり最上位に進出。
前営業日にも値上がりの目立った日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運も続きました。

日立<6501>、三菱電機<6503>の電気機器、旭硝子<5201>、日本板硝子<5202>のガラス製品、コマツ<6301>、日立建機<6305>の機械など、為替感応度の高い業種が並んでいます。

一方、国際石油開発帝石<1605>、石油資源開発<1662>の鉱業、ソフトバンク<9984>、NTT<9432>の情報通信、新日鐵住金<5401>ら鉄鋼などが値下がり上位に入りました。

個別では、三菱重工業<7011>のフォークリフト事業承継でニチユ<7105>、増額の東建コーポレーション<1766>、自社株買いのオービック<4684>、日東精工<5957>などが材料物色を集めています。

新興市場では、マザーズ市場の新規上場のジーンテクノサイエンス<4584>が公開価格を上回る初値形成も換金売りで失速。
ただ、、バイオ関連のナノキャリア<4571>、スリー・ディー・マトリックス<7777>、カイオム・バイオサイエンス<4583>は底堅く、東証1部ソーシャルゲーム関連人気でサイバーエージェント<4751>、ミクシィ<2121>なども物色されました。
■■ 〜 本日の注目銘柄シューティング! 〜 ■■<7203>トヨタ 3,535円 前日比+20円(+0.57%)
続伸。
朝高後は指数と同様に伸び悩んだものの、午前に政府の積極的な経済対策が伝わると為替相場で円安に振れており、同社株ほか国際優良株を中心に買い進まれている。
同業のホンダ<7267>、日産自動車<7201>など自動車株や為替感応度の高いニコン<7731>なども買われた。

<6501>日立 476円 前日比+19円(+4.16%)
大幅続伸。
前営業日に三菱重工業<7011>と火力発電システム分野を事業統合すると発表しており、これを好感した買いが入っているようだ。
統合先の三菱重工業<7011>も物色を集めるなど、効率化効果が期待されている。
過去にも会社統合の可能性まで報じられた経緯から、さらなる分野連携拡大を期待する向きもあるようだ。

<4100>戸田工業 371円 前日比+56円(+17.78%)
連騰。
前営業日にレアアースを使わない磁石新材料を量産化すると発表するとの材料性で人気化、ストップ高形成から本日ではさらに株価水準を切り上げてきている。
また、レアメタル分野では回収カプセル実用化を報じられた森下仁丹<4524>が人気化するなど、前営業日にディーリング物色を集めた不動テトラ<1813>を含め、個別で材料物色が目立っているようだ。

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