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2013年5月7日火曜日

<東証>株セミナー満員、証券会社臨時ボーナス 株高に沸く

7日の東京株式市場は、日本の連休中に海外市場で円安・株高が進行したことなどを受け、株価が急上昇。
日経平均株価の上げ幅は一時500円を超え、前営業日(2日)に比べ486円20銭高い1万4180円24銭で取引を終えた。
1万4000円台の回復は、リーマン・ショック前の08年6月19日以来、約4年11カ月ぶり。
安倍政権の経済政策「アベノミクス」に、海外経済回復への期待が重なった格好で、投資家や証券会社は株高に沸いている。

「株式投資を本格的に再開したい」。
4月下旬、大和証券新宿支店で開かれた日本株セミナーに参加した70代の女性は、目を輝かせた。
給料から少しずつ株を買い始めて25年超。
多くは株価下落で手をつけられない「塩漬け」となったが、最近の活況で買った時点の価格に徐々に戻ってきたという。
「買った時の値段で売っても、面白くないし」と欲も出てきた。

80人の定員が満員御礼だったこのセミナー。
日本株の見通しなどの説明の後、残って講師に質問する熱心な投資家の姿も。
同社のセミナー参加者は今年1月以降、前年4~12月の平均に比べ約3割増。
定員オーバーで参加を断るケースもあるという。

「まだまだ買い場を探している客ばかり。
空気が違う」。
ネット証券大手、カブドットコム証券の斎藤正勝社長は顔をほころばせる。
現在も口座開設の問い合わせが相次ぐ。
業績好調なため今月、社員に臨時ボーナス30万円を支給する。

個人投資家などから集めた資金を株や債券で運用する「投資信託」への資金流入も加速している。
最近では、募集上限に達して販売を停止する「売り切れ」状態になる商品も珍しくない。

相場上昇を主導してきたのは、外国人投資家だ。
東京証券取引所が7日発表した東京、大阪、名古屋3市場の4月(1~26日)の売買状況によると、外国人投資家の買い越し額は2兆6826億円となり、集計を始めた1982年7月以降、月間ベースで過去最高の資金流入。
個人の売り越し額は1兆6827億円でこちらも過去最高だったが、「個人の買い意欲は強く、買いは増えるだろう」(カブドットコム証券の河合達憲チーフストラテジスト)との見方がある。

背景にあるのは、大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略という「三本の矢」を組み合わせた「アベノミクス」だ。
黒田東彦総裁の下で、日銀が先月、「量的・質的金融緩和」を決定。
財政政策も12年度補正予算が執行段階に入った。
来月策定される政府の成長戦略にも市場の関心は高く「少なくともこれまでのところは市場の期待感をつなぎとめている」(エコノミスト)と評価の声が多い。

もっとも「期待先行」との指摘も根強い。
今後の企業業績が市場の期待通りにさらに改善し、景気は回復基調をたどるのか。
物価だけが上昇し、賃金が伸びない悪循環に陥るのか。
アベノミクスの真価が問われるのはこれからだ。
【窪田淳】

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