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2012年12月13日木曜日

証券ディーラー「プロの視点」(12/13)

■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■昨晩の欧米市場は金融政策のイベント確認も波乱なく、相対的に緩和期待の強い円が売られやすい状況となり、前営業日に引き続いて円安加速とともに買い優勢で推移した本日の株式相場ですが、前営業日にも「イベント前の好地合い」で戸惑いの見られた市場参加者の心理も、連日の好地合いによってイベント通過後の「持たざるリスク」に備えた買いも加わっているのではないでしょうか。

日経平均株価は大幅続伸。
一気に4月以来となる節目9700円台を回復してきました。
前営業日から窓開けでの上伸となり、大きく上放れた格好となっています。

市場参加者の物色意欲を示す「物差し」として紹介している日々の取引ボリュームですが、本日では顕著な変化が見られました。
東証1部の売買代金は大台1兆円半ばに増加、売買高も前営業日の19億株台から27億株台に急増し、3月9日の34億株には及ばないものの、下半期で最高の大商いとなるなど、急速な物色意欲の高まりが見て取れます。

日経平均株価は前営業日には寄り付き天井となったこともあり、明日のメジャーSQ算出を睨んで、基本線ではオプション行使価格でもある9500円を軸に下方では9250円、上方では9750円をターゲットとする変動が意識されやすいレンジを紹介していました。

ただ、前回のメジャーSQ前にイベントを控えながらも急速に水準を切り上げた経緯や今回も「三日新甫」となる共通点も紹介。
「一応の波乱警戒を持ち合わせておくべき」とも記していたように、ここにきて小波乱が見られています。

いよいよ明日はメジャーSQ算出となり、算出時には行使価格9750円との位置関係が注目されそう。
今晩の外部要因、とくに為替相場の推移や明日前場で伝わるSQ概算値や日中高安、場中の方向性を見ておきましょう。

さて、前営業日配信版では「イベント警戒のなか外部要因進展で戸惑い 物色は短期志向が続く」と題していましたが、前営業日に戸惑いの見られた市場参加者のスタンスも円安加速とともに「持たざるリスク」に備える投資行動を余儀なくされました。

前営業日に目標株価達成を紹介したシャープ<6753>は材料性もあって買い進まれましたが、売買代金上位には円安推移を追い風とした外需関連の中核銘柄、為替感応度の高い銘柄などに資金が流入。
11月27日に配信した『厳選5銘柄付きレポート』「4回連続パーフェクト! 20万円以下で買える【優良低位株】」の提供銘柄のアイフル<8515>が目標株価を達成したものの、値上がりには時価総額上位銘柄の活躍が目立っています。

会員情報でも前営業日12日の前引け後配信の電話会員情報で買い推奨していたニューフレアテクノロジー<6256>、12月3日のインターネット会員B情報で買い推奨していたファーストリテイリング<9983>、12月11日のインターネット会員A情報で買い推奨していたミクシィ<2121>らが好地合いを追い風に目標株価達成を果たしました。

ただ、明日に日銀短観、メジャーSQ、週末に重要イベントの総選挙があるなか、本質的には「買い増し」を控え、利益確定を進めながら、なるべくポジションを縮小させておくべき状況ではないでしょうか。
明日もイベントを見極める準備を整えておきましょう。
■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■昨晩の米国市場は失速。
欧州市場の堅調展開とともに買いが入ったものの、FOMC声明確認も無難な内容だったことから、手仕舞い売りを誘っています。

欧州でギリシャ10年債利回り低下など、リスク選好の流れが続いたこともあり、欧州主要市場の18カ国中12カ国で主要株価指数が上昇。
欧州市場の堅調展開とともに米国市場も買いが入りました。

また、前営業日から行われていた連邦公開市場委員会(FOMC)終了後の声明で、1月から米国債を毎月450億ドル購入する資産購入プログラムの拡大方針を表明したことで買いが入ったものの、ほぼ市場予想通りの無難な内容となったこともあり、手仕舞い売りが出ています。

ダウ平均株価は、前営業日比2.99ドル安の13,245.45ドル。
ナスダック総合指数は8.49ポイント安の3,013.81ポイントで取引を終えました。

為替相場では、欧州時間帯からリスク選好の円売り圧力が強まり、米国時間帯でもイベント通過が好感されるなど、1ドル83円台、1ユーロ108円台と円安が加速。
東京時間帯早朝では、1ドル83円台前半、1ユーロ108円台後半の円安水準で取引されています。

東京株式市場では、米国市場は失速もイベント通過を確認、為替相場での円安加速を受けて買いが先行。
日経平均株価は9681円の続伸スタートに。

寄り付き後は、日経平均株価が節目9700円での攻防に移行。
場中の円安推移を追い風に節目奪回を果たすと、上値追いを強めました。

昼休みを挟んで為替相場では1ユーロ109円突破と円安がさらに加速。
ドル円も1ドル83円台後半に向かっており、後場寄りから買い優勢の展開に。
日経平均株価は9750円に乗せるなど、明日にメジャーSQ算出を控えて、オプション行使価格9750円が意識されています。

日経平均株価終値は、161.27円高の9,742.73円。
東証1部の売買代金は概算で1兆4895億円。
東証1部の売買高は概算で27億6981万株。
値上がり銘柄は973(57%)に対し値下がりは558(32%)、変わらずは160(9%)となりました。
■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■為替相場の円安推移を追い風とする株価指数の浮上を受けて、トヨタ<7203>、ホンダ<7267>、キヤノン<7751>ら国際優良株が好調。
円安加速とともに為替感応度の高いニコン<7731>、リコー<7752>、富士フイルム<4901>などの上げも目立っています。

ファナック<6954>、ファーストリテイリング<9983>、TDK<6762>の日経平均株価構成比率上位、三菱UFJFG<8306>、三井住友FG<8316>のメガバンクなども高く、株価指数を押し上げました。

売買代金上位では、材料性も加わったシャープ<6753>、パナソニック<6752>、ソニー<6758>ら電気機器が並び、活況高に。
指数浮上で野村ホールディングス<8604>の証券、三菱地所<8802>の不動産なども物色を集めています。

セクターでは、これまで調整の目立っていた海運業が業種別株価指数騰落の値上がり最上位に進出。
日本郵船<9101>ら大手三社に加え、所属全銘柄が上昇し、指数を押し上げました。

日立<6501>、東芝<6502>の電気機器、ニコン<7731>、タムロン<7740>の精密機械など、為替感応度の高い業種や野村ホールディングス<8604>の証券、三井不動産<8801>、三菱地所<8802>の不動産など、金融関連業種が続いています。

一方、日本航空<9201>、全日空<9202>の空運業、JR東日本<9020>、JR西日本<9021>の陸運など、内需関連が軟調。
武田薬品工業<4502>、アステラス製薬<4503>の医薬品、九州電力<9508>、東京ガス<9531>の電気ガスなど、ディフェンシブセクターもさえない動きとなりました。

個別では、中国生産移管観測で東京エレクトロン<8035>、中国での太陽光発電に対する補助金給付発表でトクヤマ<4043>などもテーマ物色を集めています。

新興市場では、新規上場のコロプラ<3668>は公開価格比88%を上回る初値形成の好スタートを切るも初値水準から失速。
直近IPOのenish<3667>も軟調に。
サイバーエージェント<4751>、楽天<4755>、ミクシィ<2121>ら中核銘柄も振るわず、東証1部中核銘柄への資金シフトが見られました。

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