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2013年3月18日月曜日

証券ディーラー「プロの視点」(3/18)

■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■過度の円高進行によって、日経平均株価は大幅な調整を強いられました。
ユーロ圏財務相が決定したキプロス支援策が銀行預金者に負担を求めるという異例の内容になったことで、未明にユーロ/円とともにドル/円は急落。
株価も大幅調整しました。

ユーロ圏財務相会合では、キプロスに100億ユーロ(130億ドル)を支援する代わりに、10万ユーロ超の預金に預金額の9.9%、それ以下の預金に6.7%の課徴金を課すという、一連のユーロ圏加盟国支援策としては前例のない措置が決められました。
キプロス支援策をめぐっては、金融支援の見返りに少額の銀行預金への課税までも求められたことが市場にインパクトを与えたといってもいいでしょう。

「預金流出や他国への波及など今後の展開が読めず不透明感が強い」「このような前例を作ってしまったことは事実であり、市場にはサプライズだ」という市場関係者の欧米市場ではまだ織り込まれておらず、今晩の海外市場の動向が気になるところです。
日本株は過熱感が強かったため利益確定売りの材料になりやすい地合があります。

キプロス問題は特殊事例であり、ユーロ全般の危機にはつながりにくいという声もみられるものの、目先は「ユーロ売りに連動してドル円も下げやすい状態が続く」との声も聞かれます。

今晩の欧米市場のドル・円は、キプロス議会での金融支援条件に対する採決を見極める展開となります。
本日、キプロス議会(56議席)は、ユーロ圏財務相会合が決定した金融支援の条件である預金課税法案などに対する採決を行います。
事前の市場関係者の票読みでは、賛成が28票、反対が26票でどちらも過半数29票に達していません。

否決された場合、キプロスはデフォルト(債務不履行)の可能性が高まり、ユーロ圏から離脱する可能性が高まることで、欧州債務危機第2幕が始まることになります。
承認された場合、キプロスへの金融支援は実施されますが、ユーロ圏の重債務国の金融機関から、預金課税を懸念した資金流出が起こる可能性があることで、いずれにせよ欧州債務危機が始まる可能性があることに留意せねばなりません。

そういった意味でも、今晩の欧州、米国の外国為替市場、株式市場に注目せざるを得ないでしょう。
ただ、日経平均が大幅安となった今日も、外部環境に左右されにくい新興市場に資金が向かう場面がみられ、物色についてもバイオ関連株は堅調に推移するなど、個人投資家を中心とした買い意欲は旺盛といっていいでしょう。

まずは、今晩の欧米の株式市場と為替相場を見て、動きを決めていくのが順当だと思われます。
株式市場でも、先週末に業績を上ブレした<3665>エニグモがストップ高になるなど、そろそろ来期の業績変化を先取りする動きがあってもいい地合です。
トレードは、オーバーナイトで急落するリスクの少ないデイトレードなどでの短期の値幅取りなどが効くのではないでしょうか。
■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■先週末の米国株式市場は、ダウ工業株30種平均が11営業日ぶりは反落。
3月の米国ミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は71.8と、前月の77.6から低下し、2011年12月以来の低水準となりました。
政府の経済政策への不満が増大し、成長や雇用市場の改善への期待が後退したといわれています。
FRBが発表した2月の鉱工業生産指数(製造業、鉱業、公益事業の生産を対象、季節調整値)は前月比0.7%上昇と、3ヵ月ぶりの高水準。
消費者マインド指数が予想に反して低下したことが株価にも響きました。

JPモルガンは1.9%安と、ダウ銘柄では値下がり率トップ。
上院常設調査小委員会は報告書で昨年の巨額トレーディング損失問題で同行が損失の隠蔽を図ったことを示唆。
株価の低迷につながりました。
ダウ工業株30種は25.03ドル安の1万4514.11ドル。
ナスダック総合指数9.8ポイント安の3249.07ポイント。
S&P総合500種は2.53ポイント安の1560で取引を終えています。

週明けとなった東京株式市場で、日経平均は大幅反落。
前場の時点で下げ幅は260円を超えました。
前週末にユーロ圏財務相が決定したキプロス支援策が銀行預金者に負担を求めるという異例の内容となり、為替市場で円が急上昇したことから、主力輸出株を中心に利益確定売りが先行しました。
日本株は先週末にFTSEの指数リバランスに伴い高値引けとなった反動も大きかったようです。

後場に入ると、日銀によるETF買い思惑が下支えとなり、下げ渋る場面もみられました。
ただ、積極的な押し目買いが引き続き限定的になるなか、キプロス支援問題による欧州不安再燃が嫌気される格好から、後場の日経平均は日中安値を更新する展開に。

円高の進行と利益確定売りにより、日経平均株価は前営業日比340.32円安の1万2220.63円、東証株価指数(TOPIX)も同23.31ポイント安の1028.34と、ともに3営業日ぶりに反落しました。
東証1部の騰落銘柄数は値上がり453銘柄に対して、値下がり1179銘柄、変わらず75銘柄。
東証1部の出来高は31億1300万株、売買代金は2兆1679億円でした。
■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■欧州債務懸念の再燃などで、三菱UFJ<8306>、三井住友FG<8316>、みずほFG<8411>といったメガバンク、オリックス<8591>、アイフル<8515>などの金融株が一段安。

円高進行で、ソニー<6758>、東芝<6502>、日立製作所<6501>が売られ、トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>、日産自動車<7201>といった主要輸出株が軒並み安となる展開。
ただし、テレビ事業大幅縮小などのリストラ報道が伝わったパナソニック<6752>が逆行高となっています。

ハイテク株では、京セラ<6971>、ファナック<6954>、キーエンス<6861>などが甘く、オリンパス<7733>、島津製作所<7701>、日本ガイシ<5333>も売られました。

自動車関連では、トヨタ紡織<3116>、デンソー<6902>、豊田自動織機<6201>、川崎重工業<7012>、富士重工業<7270>、ヤマハ発動機<7272>に売りが波及。

一方で、ケネディクス<4821>が売買代金上位に進出し年初来高値を更新したほか、大京<8840>なども堅調推移。
メタンハイドレート関連として引き続き海洋掘削<1606>が個別に買われています。

エニグモ<3665>はストップ高で上場来高値を更新。
JPモルガンが買い推奨に格上げしたDOWA<5714>が逆行高。
政府が石炭火力発電に力を入れる方向と報道されたことに反応して三井松島<1518>が急伸。
またイオン<8267>が筆頭株主となる方向で調整に入り子会社化も視野に入れている、と読売新聞が報じたことから、ダイエー<8263>がストップ高に。

バイオ関連株では、ナノキャリア<4571>が引き続き堅調に推移したほか、株主分割の発表を引き続き材料視されたユーグレナ<2931>、カルナバイオ<4572>、アンジェス<4563>などが短期資金を集めて、全体相場に逆行高の展開となりました。

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