為替ニュース

直近の決算発表予定

2013年2月13日水曜日

証券ディーラー「プロの視点」(2/13)

■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■円安一服で、為替市場がやや円高に振れたことから、利益確定売りを浴びた今日の東京株式市場。
G7で為替に関する緊急共同声明を発表し、G7が為替について声明を発表するのは2011年9月以来。
声明では「日本を含むG7各国の財政・金融政策は為替レートではなく、国内の市場や経済などの目的を達成することに向けられてきていること、今後ともそうしていくこと」を再確認されました。

麻生財務相は今回のG7声明は「日本がデフレ不況対策としてやったいろいろな政策が、為替相場を使っているのではないか等の話があったが、そういうことはないということを各国から正しく認識されたことに意味がある」と声明の意義を強調しましたが、市場では過度な円安に対する牽制という声もあり、為替とともに株価も調整局面となりました。

その背景にあるのは、ドイツのメルケル首相などが、安倍政権が打ち出した積極的な金融緩和策に対し、「為替操作は敏感な問題になりつつあり、日本への懸念が出ている」などG7の一部の国から批判が出ていたことが背景にあります。
ただし、各国の財政・金融政策は「国内目的の達成に向けられており、為替レートを目標にはしないことを再確認する」と初めて明記。
各国が自国通貨を安く誘導する「通貨安競争」をしないことを申し合わせたことから、安倍政権が現在行っている金融緩和策は「通貨安競争にあたらない」という声もあり、その意味では、円安容認という見方もできます。
実際、為替市場では日本が名指しで非難されなかったとして声明の発表直後は円が売られたました。
ただ、G7が円安を容認するわけではないとの見方もあり、円は再び買い戻されたという経緯があります。

麻生財務相は「日本の政策がデフレ不況対策であり、為替相場に使っていないと各国から正式に認識された」と述べていますが、各国が自国通貨を安く誘導するような政策をとって通貨安競争にならないよう牽制したこともあり、自民党が公約としていた政府・日銀による外債購入ファンドなどは為替相場に影響を及ぼす可能性があり、導入が難しくなったとの見方もあります。

G7が緊急共同声明をまとめたのは、15〜16日にモスクワで開く20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を前に、先進国として統一見解を示す狙いがあったからです。
安倍政権の円安誘導政策は、G20で本格議論になるかもしれません。

とにかく、日本の株式市場は為替相場の変動でいままで上昇してきた経緯があるので為替相場が変われば、当然株式市場も影響を受けることになります。
今後はいま以上に為替相場の変動を注視しつつつ、株式に取り組んでいく必要があるでしょう。
■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■12日のニューヨーク株式市場では、外国為替市場でユーロが主要通貨に対して上昇し、欧州株式相場も上昇したことから、米国株式市場でも欧州金融市場の落ち着きを背景にした買いが先行する展開。
バンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースらの金融株を中心に買いが広がり、ヒューレット・パッカードやホームセンターのホーム・デポも上昇。

高級服飾ブランドのマイケル・コース・ホールディングスが好決算を背景に急伸。
決算内容が評価されたエイボン・プロダクツも値を飛ばすなど良好な決算を発表した銘柄が個別に買われる動きが目立ちました。

さらに、米国オバマ大統領が一般教書演説で述べる経済政策への期待を背景に、金融株、エネルギー株などを中心に買い注文が優勢に。
北朝鮮による核実験強行への相場の反応は限定的となっています。

結局この日、ダウ平均株価は反発し、前日比47.46ドル高の1万4018.70ドルと、1万4000ドルの節目を7営業日ぶりに回復し、2007年10月12日以来の約5年4ヶ月ぶりの高値で取引を終えました。
ナスダック総合株価指数は5.51ポイント安の3186.49ポイントで取引を終えています。
時価総額が大きい米アップルの株価が大幅に下がり、指数全体の重しとなりました。

日本時間12日夜に行われたG7では、「経済政策を為替相場の誘導のために利用しない」との声明を発表。
世界的な通貨戦争に対する懸念の払拭を図りました。
当初、この声明は最近の円安を共同で容認すること示唆したと受け止められ、円が下落。
声明後に麻生財務相は財務省内で記者団に、日本のデフレ不況対策が為替操作に使われていないと「各国から正式に正しく認識された」と述べていました。
しかし、その後各国間で声明への解釈が入り交じり、英国は「G7は特定の国や為替相場をやり玉に挙げていない」と説明。
G7当局者の1人は「円の過度の動きに懸念がある」と述べたことから、売買が交錯し、1ドル=93円台前半、1ユーロ =125円台半ばと、やや円高傾向で取引が開始されました。

東京株式市場では、円安が一服したことから円高傾向を嫌気してトヨタ<7203>、ソニー<6758>、パナソニック<6752>、キヤノン<7751>などが下落して、日経平均の下げを主導。
下方修正が嫌気されたグリー<3632>が急落したことでSNS関連銘柄にも利益確定の動きが広がりました。

昼のバスケット取引でも売り方がやや優勢。
米国大統領の一般教書演説では、景気支援に向けた最低賃金の20%超引き上げやインフラ整備に向けた500億ドル規模の投資、150億ドルの建設分野の雇用創出プログラムを提案したことから、ドル安に歯止めがかかり、円相場は若干円高方向に触れ、日中レンジ内での下限レベルでの攻防に終始する展開になりました。

後場に入ると、日経平均はさらに円相場が徐々に上昇したことを受けて、下落幅を拡大。
足元で円安が一服していることから、円高傾向を嫌気してトヨタ<7203>、ソニー<6758>、パナソニック<6752>、キヤノン<7751>、決算を嫌気したダイキン<6367>などに利益確定売りが出ました。
下方修正が嫌気されたグリー<3632>が急落したことでSNS関連銘柄にも利益確定の動きが広がっているほか、証券なども利食いに押される展開となりました。
押し目買いよりも、いったんは利益確定を誘った形です。

日経平均株価は前日比117.71円安の1万1251.41円、TOPIXも11.48ポイント安の957.02と反落して取引を終えています。
東証1部の出来高は38億1280万株。
売買代金は2兆1522億円。
騰落銘柄数は値上がり225銘柄、値下がり1418銘柄、変わらず54銘柄となりました。
■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■個別銘柄では、三菱UFJ<8306>、三井住友FG<8316>、みずほFG<8411>といったメガバンクが軟調。
野村HD<8604>、大和証券<8601>、SBI<8473>らの証券業も下げに転じました。

円高推移からソニー<6758>、パナソニック<6752>、東芝<6502>などハイテクの主力銘柄が軟調に推移したほか、アドバンテスト<6857>、村田製作所<6981>も軟調展開。

自動車では、トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>、日産自動車<7201>、マツダ<7261>の輸出関連の一角が軟調に推移しているなかで、いすゞ自動車<7202>が逆行高。

自動車株が値を崩したこともあり、トヨタ紡織<3116>、デンソー<6902>、豊田自動織機<6201>、川崎重工業<7012>、富士重工業<7270>なども安く、ヤマハ発動機<7272>も売り込まれました。

鉄鋼も下げがきつく、新日鐵住金<5401>、JFE<5411>、神戸製鋼所<5406>などに売りが出たほか、関連する海運株も、商船三井<9104>、日本郵船<9101>、川崎汽船<9107>などが大きく値を下げました。

また、昨年来高値を更新した住友金属鉱山<5713>も後場には利益確定売りが出て失速。
伊藤忠商事<8001>、三菱商事<8058>、丸紅<8002>などの商社株とともに、三菱マテリアル<5711>、DOWA<5714>、三井金属<5706>などと揃って非鉄系は軟調に推移。

メガバンクの失速から、直近で買われいた不動産株にも売りが普及し、三井不動産<8801>、三菱地所<8802>、東京建物<8804>、東急不動産<8815>、野村不動産HD<3231>などが総じて安くなっています。

繊維では東レ<3402>を除いては、帝人<3401>、クラレ<3405>、グンゼ<3002>、ダイワボウ<3107>と総じて軟調。
SNS関連でグリー<3632>が急落したことで、他のSNS関連のミクシィ<2121>などにも売りが広がり、フルスピード<2159>、サイバーエージェント<4751>、楽天<4755>、アドウェイズ<2489>なども値を崩しています。

一方で、第一生命保険<8750>、ウェブクルー<8767>が強い動きとなり、NTTドコモ<9437>、KDDI<9433>、NTT<9433>、ヤフー<4989>などの通信系は堅調推移となりました。

決算に絡んだところでは、日揮<1963>、光通信<9435>が値を崩して一段安。
東洋エンジニアリング<6330>は動意薄に。
JUKI<6440>、カーバイド<4064>、東海カーボン<5301>、三井松島産業<1518>は堅調推移。

マザーズ指数は反発しましたが、マザーズではないもののグリー<3632>の急落を受けてネット株が総じて軟調。
主力のサイバーエージェント<4751>などに売りがでほか、楽天<4755>、コロプラ<3668>が軟調。
決算発表のユーグレナ<2931>はストップ安まで売り込まれました。

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