【編集部から】
4月下旬からの決算発表をひかえて、企業が慎重な業績見通しを発表して相場を冷 やすのではないかと心配する声が聞こえてきます。とくに、輸出企業が為替の前提を 厳しめにおいてくるのではないかというのですが、私はそんなに気にすることだろう かという感じがします。 というのも、企業の想定為替レートというのは、単に業績予想を計算するための数 字ではなく、それを前提に今後経営する、という意思表示でもあるからです。赤字部 門があって、その部門を今期こそ黒字にするのだというとき、1ドル=90円前提と、 1ドル=100円前提とでは、やるべきコストダウンなど努力の程度が変わってきます。 大抵の企業は為替変動でどれくらい利益が変わってくるかという「為替感応度」と いわれる数字を開示しますので、想定レートが円高にすぎるなら、それをこちらで足 して予想を作りなおしてやればいいだけの話。むしろ多少実勢より円高の為替水準を 前提に計画を立ててくる企業のほうが、先々の業績改善が期待できそうです。 また、企業には、あとになって下方修正するのがいやなので、まずは手堅い予想か ら入ったり、反対に、最初から景気のいい数字を出してきたりと、業績予想の出しか たにくせがあります。最近のマーケットは心理状態がいいので、その企業の業績見通 しが本質的によくないというのでない限り、これらの要素を勘案したりしなかったり して、よいふうに業績予想を解釈するバイアスがかかりそうな気もします。 (マーケット編集長 深田武志) 【注目の新着記事】
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