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2012年12月3日月曜日

証券ディーラー「プロの視点」(12/3)

■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■外部要因に大きな変化はなく、場中に伝わった中国経済指標を好感した買いが見られたものの、株価指数は直近高値レベルでの攻防が継続。
上値の重さを嫌気した利益確定売り圧力とともに伸び悩みましたが、物色はテーマ性を帯びた建設株などに向かっており、物色意欲は衰えていません。

日経平均株価は小幅続伸。
一時は節目9500円を奪回する場面も見られましたが、節目を固められず、伸び悩む動きに。
ローソク足は上ヒゲ陰線となったものの、下値切り上げは継続しており、基調としては未だ上向きと判断できます。

当欄で物色意欲の目安として紹介していたボリューム面ですが、東証1部の売買代金は大台1兆円台をキープ。
東証1部の売買高も前営業日の23億株台から18億株台に低下したものの、低位建設株の活況高が下支えする格好に。
市場参加者の物色意欲の高さは継続しているのではないでしょうか。

ただ、気掛かりは株価指数の「上値の重さ」でしょう。
名実とも「12月相場入り」で、イベントのメジャーSQ、そして総選挙での「出尽くし」の可能性が買い手控えにつながっているほか、目先でも金曜日の米雇用統計に向けて経済指標に対する注目度も高まりつつあります。

また、年末特有の「節税対策売り」や海外投資家による「ポジション調整」など、需給面での一時的な逆風に備えた動きも「重し」となりやすい局面。
テーマ性を帯びた低位建設株など、値動きの良い投資対象が選好されやすくなっているのではないでしょうか。

そこで当欄では「セクター間の資金シフト」「低売買単価銘柄の資金循環」を物色対象のポイントに挙げていましたが、セクター間の資金シフトでは、指数伸び悩みで前営業日に買い進まれていた外需関連から内需関連への資金シフトが見られています。

一方の「低売買単価銘柄」では、前述の通りに低位建設株が活況高。
日本橋梁<5912>、不動テトラ<1813>が全市場の売買代金上位に進出したほか、前営業日に目標株価達成を紹介した11月29日のインターネット会員A情報での買い推奨銘柄・佐藤渡辺<1807>も上値追いを強めました。

このまま両タイプの資金循環がポイントとなりますが、前営業日にも紹介していた物色の軸となる「先導株」も見極めていきたいところ。
米雇用統計通過後の来週辺りからは、物色傾向にも変化が見られそうです。
■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■先週末の米国市場はもみあい。
財政問題に進展がなかったほか、MSCIグローバル指数の銘柄入れ替えタイミングとなり、売買が交錯しています。

財政問題協議で目立った進展はなく、方向感を探る動きが継続。
また、MSCIグローバル指数の定期入れ替えタイミングとなり、個別銘柄に対する売買が交錯しました。

ダウ構成銘柄では、上昇がウォルマート、ホームデポ、HP、ジョンソン&ジョンソンら17銘柄に対して、変わらず1銘柄。
下落がマイクロソフト、キャタピラー、デュポンら12銘柄となり、まちまちな反応となっています。

ダウ平均株価は、前営業日比3.76ドル高の13,025.58ドル。
ナスダック総合指数は1.79ポイント安の3,010.24ポイントで取引を終えました。

為替相場では、欧州時間帯でギリシャ問題進展絡みのユーロ上昇が見られたものの、米国時間帯からは落ち着いた動きに。
東京時間帯早朝では、1ドル82円台半ば、1ユーロも107円台前半の水準で取引されています。

東京株式市場では、米国市場はもみあいだったものの、為替相場でのユーロ上昇を好感した買いが先行。
日経平均株価は9484円の続伸スタートに。

寄り付き後は、日経平均株価における直近高値レベルの9500円ラインには届かず、上値の重い展開に。
中国製造業PMI確定値が速報値を上回り、為替相場での円安推移とともに戻り売りをこなし、節目9500円に乗せて前引けを迎えました。

昼休みを挟んで、日経平均株価は後場も節目9500円の攻防が継続。
ただ、直近高値レベルでの上値の重さを嫌気した売り圧力も根強く、円買い圧力とともに上げ幅を縮めています。

日経平均株価終値は、12.17円高の9,458.18円。
東証1部の売買代金は概算で1兆1045億円。
東証1部の売買高は概算で18億6829万株。
値上がり銘柄は917(54%)に対し値下がりは608(36%)、変わらずは158(9%)となりました。
■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■株価指数の伸び悩みで、円安推移で買い進まれていたトヨタ<7203>、ホンダ<7267>ら国際優良株が失速。
日経平均株価構成比率上位のファーストリテイリング<9983>は堅調に推移したものの、ソフトバンク<9984>、京セラ<6871>などの苦戦が重しとなっています。

代わって内需系の三菱UFJFG<8306>、三井住友FG<8316>のメガバンク、三菱地所<8802>、住友不動産<8830>がしっかり。
株価指数を下支えしました。

売買代金上位では、中央道トンネル崩落事故の影響で補修点検工事増加の思惑も強まった日本橋梁<5912>など建設株が短期物色を集めた一方、ディー・エヌ・エー<2432>、グリー<3632>ら値動きの良いソーシャルゲーム関連はさえない動きとなっています。

セクターでは、低位建設のほか、大成建設<1801>、鹿島<1812>、大林組<1802>ら中核建設の活躍で建設業が業種別株価指数騰落の値上がり最上位に入りました。

三菱地所<8802>、三井不動産<8801>、住友不動産<8830>の不動産株も堅調。
住友大阪セメント<5232>、太平洋セメント<5233>のガラス土石、古河電工<5801>、住友電工<5802>の非鉄、大王製紙<3880>、日本製紙<3893>の紙パルプなども買われています。

一方、中部電力<9502>、関西電力<9503>の電気ガス、日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運、任天堂<7974>のその他製品が値下がり上位に並びました。

個別では、炭素繊維増産観測報道で帝人<3401>、フォークリフト事業承継が継続視されたニチユ<7105>らが材料物色を集めましたが、値上がり上位ではピーエス三菱<1871>、安藤建設<1816>、ハザマ<1719>など建設株の活躍が目立っています。

新興市場では、中核のサイバーエージェント<4751>、楽天<4755>、ジェイアイエヌ<3046>らが軟調。
ジーエヌアイ<2160>、カイオム・バイオサイエンス<4583>のバイオ関連、材料物色を集めた日本管理センター<3276>、値動きの軽いオンキヨー<6628>、夢真ホールディングス<2362>、キャリアリンク<6070>などが買われました。
■■ 〜 本日の注目銘柄シューティング! 〜 ■■<9983>ファーストリテイリング 19,010円 前日比+290円(+1.55%)
続伸。
日経平均株価が5月以来の戻り高値を更新するなか、日経平均株価構成比率上位として堅調な値動きに。
同社株も9月高値を更新し、4月に付けた年初来高値を窺う流れ。
内需系大型株が底堅く、三菱地所<8802>、住友不動産<8830>の不動産株も買われた。

<2432>ディー・エヌ・エー 2,940円 前日比−85円(−2.81%)
反落。
続伸基調から買いが先行したものの、利益確定売りも出ており、同業のグリー<3632>、サイバーエージェント<4751>などとともに売り直された。
ミクシィ<2121>との連携強化で材料性を帯びていたものの、値動きに着目した短期資金が低位建設に向かっており、手仕舞い売りが出たようだ。

<5912>日本橋梁 352円 前日比+60円(+20.55%)
連騰。
前営業日にも値動きに着目した短期資金が流入していたほか、週末に発生した中央道トンネル崩落事故の影響で補修点検工事増加の思惑も強まり、さらに短期資金を惹きつけている。
直近でも短期資金を集めていた不動テトラ<1813>のほか、トンネル工事の熊谷組<1861>、ハザマ<1719>、合併対象の安藤建設<1816>も連れ高、補修工事のショーボンド<1414>などが高く、建設業が業種別株価指数騰落の値上がり上位に入っている。

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