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2012年12月4日火曜日

証券ディーラー「プロの視点」(12/4)

■■ ? 明日の株新聞 ? ■■軟調な経済指標を受けて外部要因がやや軟化、売り優勢の立ち上がりとなった本日の株式相場ですが、このところの上昇基調に合わせた押し目買い意欲も高く、株価指数は安値もみあいに終始。
ただ、中核銘柄の資金循環はやや停滞し、物色は前営業日にも目立った値動きの良い投資対象に向かっています。

日経平均株価は反落。
前営業日から水準を切り下げてきましたが、5日移動平均線(9409.17円)に底堅い動きを見せました。
節目9400円台をキープし、ローソク足も陽線に転換しています。

当欄で物色意欲の目安として紹介しているボリューム面ですが、東証1部の売買代金は大台1兆円台をキープしたものの、東証1部の売買高は前営業日の18億株台から17億株台に低下。
先週後半の23億株台から低下してきており、前述したように中核銘柄の停滞につながったのではないでしょうか。

代わって賑わいを見せたのが、前営業日にも活況高となった日本橋梁 <5912>など低位株。
アイフル <8515>、戸田工業 <4100>など、直近で賑わいを見せていた銘柄群も資金還流が見られました。

前営業日配信版では「上値の重さは12月相場の特徴も資金循環は活発」と題していたように、本日の株価指数反落も「上値の重さ」が影響したのではないでしょうか。

「目先でも金曜日の米雇用統計に向けて経済指標に対する注目度も高まりつつあります」とも記していたように、昨晩の米国市場では軟調な経済指標が売り材料視されました。
明日にも米国でADP雇用統計の発表があり、金曜日発表の米雇用統計を控えるなか注目を集めそうです。

さて、投資戦略では「セクター間の資金シフト」「低売買単価銘柄の資金循環」と両タイプの資金循環をポイントに挙げていましたが、前述の通りに若干のボリューム低下、指数の「上値の重さ」に影響される格好で「セクター間の資金シフト」はやや鈍ってきました。

「低売買単価銘柄の資金循環」は、アイフル <8515>、戸田工業 <4100>ら直近の活躍銘柄が蒸し返される格好で上昇するなど、引き続き活発な資金循環が見られています。

ただ、低売買単価銘柄の資金循環を先回りするにも見極めにくく、12月相場の特徴となる指数の「上値の重さ」からは中核銘柄も手掛けにくいタイミング。
ここはイベント通過後に手掛けられる投資対象を選別する局面に位置付けましょう。
■■ ? 今日の東京市場から ? ■■昨晩の米国市場は下落。
軟調な経済指標を嫌気した売りが出たほか、財政問題の先行き不透明感から見切り売りも相場を押し下げています。

11月のISM製造業景況指数は49.5ポイントとなり、前月の51.7ポイント、市場予想の51.4ポイントを下回る結果に。
軟調な内容を嫌気した売りが出ました。

財政問題で下院共和党が歳出削減と税収計画を提案したものの、先行き不透明感や景気の悪影響を懸念した売りも相場の押し下げ要因となっています。

ダウ平均株価は、前営業日比59.98ドル安の12,965.60ドル。
ナスダック総合指数は8.04ポイント安の3,002.20ポイントで取引を終えました。

為替相場では、米国経済指標軟化を嫌気したドル売りが優勢。
東京時間帯早朝では、1ドル82円台前半、1ユーロも107円台前半の水準で取引されています。

東京株式市場では、米国市場下落やドル下落を嫌気した売りが先行。
日経平均株価は9419円の反落スタートに。

寄り付き後は、株価指数の日経平均株価、TOPIXとも5日移動平均線を挟んだ水準にあり、戻り売りと押し目買いが交錯。
安値もみあいに終始しました。

昼休みを挟んで豪中銀の利下げ実施で出尽くし気味の豪ドル上昇が見られており、後場は見直し買いが先行したものの、戻り売り圧力は根強く、日経平均株価は前場と同水準での安値もみあいとなっています。

日経平均株価終値は、25.72円安の9,432.46円。
東証1部の売買代金は概算で1兆341億円。
東証1部の売買高は概算で17億3884万株。
値上がり銘柄は944(55%)に対し値下がりは579(34%)、変わらずは164(9%)となりました。
■■ ? 本日の注目相場 ? ■■米国経済指標軟化を主要因とする株価指数の反落で、キヤノン <7751>、日産自動車 <7201>、日立 <6501>ら国際優良株が軟調。
三菱UFJFG <8306>、三井住友FG <8316>のメガバンクも鈍い動きとなっています。

前営業日に利益確定売りの出ていたトヨタ <7203>、ホンダ <7267>は米販売増加を受けて底堅く、日経平均株価構成比率上位のソフトバンク <9984>もしっかり。
株価指数を下支えしました。

売買代金上位では、トンネル崩落事故に絡んだ補修点検増加の思惑で日本橋梁 <5912>が連騰、値動きの軽いアイフル <8515>、戸田工業 <4100>など、需給妙味の強い銘柄を選好する流れが強まっています。

セクターでは、JXホールディングス <5020>、出光興産 <5019>の石油製品、日立キャピタル <8586>、三菱UFJリース <8593>らその他金融、ブリヂストン <5108>のゴム製品が業種別株価指数騰落の値上がり上位に並びました。

一方、王子ホールディングス <3861>、北越紀州製紙 <3865>の紙パルプ、新日鉄住金 <5401>、JFEホールディングス <5411>の鉄鋼、日本郵船 <9101>、商船三井 <9104>、川崎汽船 <9107>の海運らが値下がり上位となっています。

為替感応度の高いニコン <7731>、オリンパス <7733>の精密機械、東邦亜鉛 <5707>、住友電工 <5802>の非鉄、日本板硝子 <5202>、日本電気硝子 <5214>のガラス製品なども続きました。

個別では、米クアルコムとの協業報道でシャープ <6753>、増額のピジョン <7956>、決算銘柄の伊藤園 <2593>、格上げの協和発酵キリン <4151>などが材料物色を集めています。

新興市場では、中核のサイバーエージェント <4751>が底堅い動きを見せるも楽天 <4755>、ジェイアイエヌ <3046>らは安く、まちまちな反応に。
材料性の伝わった大証 <8697>、低位のメガネスーパー <3318>のほか、ナノキャリア <4571>、メディネット <2370>、タカラバイオ <4974>、オンコセラピー・サイエンス <4564>などバイオ関連が賑わいました。
■■ ? 本日の注目銘柄シューティング! ? ■■ <7751>キヤノン 2,934円 前日比?27円(?0.91%)
反落。
軟調な米国経済指標を受けての株安、円高の流れが嫌気されているようだ。
国際優良株では日産自動車 <7201>、ソニー <6758>、日立 <6501>なども安く、為替感応度の高いニコン <7731>なども安く、物色が見送られている。
同社株は前営業日の指数浮上時に買い進まれていたこともあり、利益確定売りを誘いやすいようだ。

<5912>日本橋梁 369円 前日比+17円(+4.83%)
連騰。
前営業日にも週末に発生した中央道トンネル崩落事故の影響で補修点検工事増加の思惑も強まり、低位建設株の一角として短期資金を集めていた経緯から、買いが先行している。
ただ、連日の上伸による短期過熱感から利益確定売りも出ているようだ。
値動きの軽さを選好した短期資金はアイフル <8515>などへ資金還流も見られている。

<4100>戸田工業 405円 前日比+58円(+16.71%)
急反発。
先週にレアアースを使わない磁石新材料を量産化すると発表するとの材料性で人気化しており、前営業日には利益確定売りが出ていたものの、指数の弱含みもみあいで値動きの良い銘柄を選好する流れが強まっており、売り先行から切り返すと買いが買いを呼ぶ展開となっている。

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